米国のスポーツトレーディングカード会社であるPanini America(パニーニ・アメリカ)は8月6日、米国の総合格闘技団体「Ultimate Fighting Championship(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ、略称:UFC)」のNFTトレーディングカードを販売することを発表しました。
この記事では、Panini Americaの概要や、販売されるNFTトレーディングカードの特徴を解説します。
米国のスポーツトレーディングカード会社であるPaniniAmerica
Panini Americaは、米国のスポーツトレーディングカード会社。Panini Americaの親会社であるパニーニグループは1961年にイタリア・モデナで設立され、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アメリカに子会社を持っています。パニーニグループは、毎年1,000以上のステッカーやトレーディングカードのコレクションを発売し、業界を先導。また、子供向け雑誌や書籍、コミック、マンガ、グラフィックノベルなど、年間7,000以上の出版物をヨーロッパやラテンアメリカで発行する主要な出版社の一つです。現在、世界150の地域で、パニーニグループの物理的な製品を販売しています。
Panini Americaは2021年1月、UFCと独占契約を締結。これにより、Panini Americaは、UFCのNFT(non-fungible token、非代替トークン)トレーディングカードを初めて作成しました。NFTはトレーディングカードのデジタルレプリカで、UFCの対戦や記録達成の瞬間などが収録されています。
100人以上のUFCファイターが新しいオンラインコレクションに登場
NFTトレーディングカードは、ブロックチェーン技術を活用したPanini America独自のUFC NFTマーケットプレイスで購入可能です。オンラインコレクションには、100人以上のUFCファイターが登場。そのなかには、アイルランドの男性総合格闘家であるコナー・マクレガー選手、アメリカ合衆国の男性総合格闘家であるデリック・ルイス選手、ブラジルの女性総合格闘家であるアマンダ・ヌネス選手などのスター選手が含まれています。
Panini Americaは現地時間8月9日・10日、UFC NFTマーケットプレイスに最初のNFTを出品しました。価格は、「セレクト・ベース」パッケージの10ドルから、「ゴールド・パラレル」パッケージの149ドルまで、パッケージの希少性や価値に応じて設定されました。そして、2021年8月現在、すでに2,600以上のNFTが出品されています。
UFCのグローバル消費者向け製品担当本部長であるTracey Bleczinski氏は、「UFC NFTは、大人気のPanini UFCトレーディングカードの延長線上にあり、UFCファンが、自分の好きなアスリートとのつながりを保てる革新的な方法です」と述べました。
Panini Americaの最高経営責任者であるMark Warsop氏は、「当社は、コレクター向けNFT分野の大きな成長とさらなる可能性に大いに期待しているため、今回UFCと独占的提携を締結しました。2020年1月にトレーディングカードメーカーとして初めてライセンス取得済みのNFTを作成して以来、当社で最も人気のあるフィジカルブランドの魅力がNFTの分野にも見事に反映されることを証明してきました。そして、当社が取り組みを進めているUFCのNFTにより、トレーディングカードの人気をさらに高められると確信しています」と語りました。
UFC以外のスポーツも次々NFTに
UFC以外のスポーツも次々とNFTになっており、スポーツ業界全体でNFT市場に参入する動きが加速している状況です。たとえば、Panini AmericaのNFTマーケットプレイスでは、今回ご紹介したUFCのNFTのほかにも、野球やバスケットボール、フットボールなど、アメリカで人気のスポーツのNFTトレーディングカードが出品されています。
今回は、野球とバスケットボールのNFTで知名度の高い2つのNFTマーケットプレイスをご紹介します。
Toppsの野球カードがNFTに
米メジャーリーグの野球カードを制作する米Topps(トップス)は2021年4月、同社の主力製品である野球カードをNFTで展開すると発表しました。これは、MLB(メジャーリーグベースボール)と、MLBPA(メジャーリーグベースボール選手会)との提携により実現。
NFTは、ブロックチェーン技術を活用した分散型取引プラットフォーム「Wax」上で販売されており、WAXのネイティブトークンである「WAXP」で取引可能です。Toppsは主力製品である野球のトレーディングカードをNFTで展開することで、野球カード事業の拡大を図っています。
Dapper Labsが運営するNBA Top Shot
スポーツのNFTトレーディングカードで不動の人気を誇るのが、「NBA Top Shot」です。世界初のブロックチェーンゲーム「CryptoKitties」も展開し、NFT業界を牽引するDapper Labsが、NBA Top Shotを運営しています。
NBA Top Shotの特徴は、トレーディングカードでありながら動画が収録されている点。世界中にファンを持つプロバスケットボールリーグあるNBAのプレイヤーのハイライト動画がNFTとなっています。2020年10月にローンチしたNBA Top Shotは、ローンチから1年足らずで売上高が7億ドル(約760億円)を突破し、累計のユーザー数も100万人を超えたとされています。
まとめ
これまでにも、MLBやNBAをはじめとするトレーディングカードのNFTは取引されていました。しかし、UFCのNFTが取引されるのは史上初のことで、UFCファンはもちろん、世界中のデジタルカードコレクターから注目されています。今後も、あらゆるスポーツのNFT取引が開始されることが期待され、スポーツ業界全体を盛り上げることにもつながりそうです。
今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。