資産形成アート投資サロンなどを運営するShinwa ARTEX(シンワアルテックス)株式会社は、NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)デジタルアートを展示するバーチャルギャラリーを期間限定でオープンしました。デジタルカードやゲーム内アイテムなどのさまざまなコンテンツがNFT化される昨今ですが、デジタル展覧会はこれからのデジタルアートを牽引する存在となるのでしょうか。
この記事では、Shinwa ARTEXが開催したデジタル展覧会の概要や、近年盛り上がりを見せるNFTアート市場について解説します。
NFTアートをVR空間で見よう!
Shinwa ARTEXは、日本のアート業界の再生に向けた取り組みを行うShinwa Wise Holdings(シンワワイズホールディングス)株式会社の連結子会社です。Shinwa ARTEXは2021年7月30日から8月8日まで、同社1階のスペースで「SANCTUARY|urbanized nature 古賀勇人 NFTアート展」を実施。これに伴い、同アート展の作品をERC721の規格でNFT化したものを展示するバーチャルギャラリーをオープンしました。
このバーチャルギャラリーの特徴は、特別な機材を必要としない点です。VRゴーグルを使って楽しむこともできますが、PCやスマホのWebブラウザからも楽しめる仕様となっています。VR空間内では、好みのアバターを選択して自由に動き回ることができ、作家がVR空間内にいれば、作品についてチャットでやりとりすることもできたようです。さらに、VR空間の特徴を生かし、気に入った作品があればVR空間からECサイトに直接移動して購入できる仕組みとなっていました。
盛り上がりを見せるNFTアート市場
NFT業界のなかで特に盛り上がりを見せているのが、NFTアート市場です。そもそもNFTとは、作品につけられた証明書のようなもので、ブロックチェーン技術により特定の作品を唯一無二のオリジナルとして取引できるようになります。NFTを取引するためのマーケットプレイスが存在し、暗号資産(仮想通貨)だけでなく、クレジットカードで支払いができるNFTマーケットプレイスも増えてきています。
約75億円で取引されるNFTアートも
これまで高値で取引されてきたNFTアートの例として挙げられるのが、Beepleと呼ばれるデジタルアーティストのNFT作品です。2021年3月に老舗オークションサイトのクリスティーズにBeepleのNFT作品が出品されたところ、6,935万ドル(約75億円)で落札されました。Beepleの作品はこれまで100ドル以上で売れたことがなかったのですが、この落札により最も価値のある現存アーティスト3人のうちの1人になったといわれています。
NFTアート市場はなぜ盛り上がっているのか
NFTアート市場が盛り上がりを見せている一因は、新型コロナウイルスの流行とされています。実際に、コロナ禍でイベントなどが激減したことでNFT取引に注力するアーティストもいるようです。
また、実在するアート作品は仮に高額で転売されてもアーティスト本人の収益にはなりません。しかし、NFTアートであれば、ロイヤリティと呼ばれる転売による収益が得られるプラットフォームも多くなっています。そのため、アート作品が一度購入された後も、作品の人気度合いによっては継続的な収益を見込めるというわけです。
メタバースの普及がデジタルアートを一般化するか
デジタルアートの一般化に貢献しているとされるのが、メタバースの存在です。メタバースとは、「メタ(超)」と「universe(宇宙)」を組み合わせた造語で、さまざまな仮想空間サービスの総称として使われています。2000年代に大人気となった仮想空間ゲーム「セカンドライフ」や、2020年に発売されて人気を博したNintendo Switch用ゲーム「あつまれ どうぶつの森」も、メタバースの一つであるとされています。
このようにメタバースは、ゲーム業界で利用されることが多く、3億5千万以上もの登録ユーザー数を有するマルチプレイゲーム「Fortnite(フォートナイト)」も例として挙げられるでしょう。しかし近年では、アート業界でも積極的に利用されています。仮想空間と時間をリアルタイムに共有することで、行けなくても楽しめるという特徴を持つメタバースは、先ほどご紹介したデジタル展覧会などに利用されているのです。さらに、メタバースでしか成し得ないような演出を施したアート作品が取引されれば、アートの可能性がさらに広がると考えられています。
まとめ
ブロックチェーン技術の活用に加え、新型コロナウイルスの流行なども受けて、新しいアートの形としてNFTアートが注目されています。その場に行かなくても楽しめたり、現実世界では成し得ない演出が可能になったりするメタバースにより、今後デジタルアートが当たり前になる日が来るかもしれません。
今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。