NFT×アニメは世界を制することができるのか。NFTアイテムの活用でクリエイターが救われる

NFT×アニメは世界を制することができるのか。NFTアイテムの活用でクリエイターが救われる

2021年に入ってからNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)の人気が急速に高まっていますが、そのなかでも特に注目を集めているコンテンツの一つに、日本のアニメ関連のNFTがあります。この記事では、アニメ業界やアニメクリエイターを支援するためのNFTの活用事例をご紹介します。

日本のアニメとNFTの融合

ここでは、日本のアニメとNFTを融合させた2つのプロジェクトを見ていきましょう。

NFT×アニメ共創プロジェクト「SAMURAI cryptos」

1つ目の例が、NFT×アニメ共創プロジェクト「SAMURAI cryptos」です。SAMURAI cryptosは、アニメーションの企画やプロデュースなどを行う株式会社ゴンゾが実施するプロジェクト。ブロックチェーン技術を用いたNFT事業支援を行うdoublejump.tokyo株式会社が、同社のNFT事業支援サービス「NFTPLUS」を通じてSAMURAI cryptosをサポートしています。


このプロジェクトの第一弾として発表されたNFT作品が、「猫侍と花魁侍」。10月6日14時からの48時間、世界最大級のNFTマーケットプレイスOpenSeaにてオークションが実施されました。

NFT作品「猫侍と花魁侍」(出典:doublejump.tokyo株式会社)

この作品を手掛けたのは、イラストレーター、モデラー、メカデザイナー、漫画家など多分野の創作で活躍する小林誠氏です。代表作には「ラストエグザイル」や「機動戦士ガンダムZZ」があり、近年はアニメーション演出も手掛けています。

SAMURAI cryptosの第一弾では、小林氏に加えて千葉道徳氏(「バジリスク〜甲賀忍法帖〜」「SK∞ エスケーエイト」他)、飯島弘也氏(「アフロサムライ」「劇場版 マジンガーZ / INFINITY」他)の合計3人のクリエイターの参加が発表されました。

また、小林氏のNFTオークションに先立ち、すでに4種類のシンボルNFTを5回に渡って販売・配布しており、1時間以内に出品した1458個が完売・配布完了したとのこと。世界中のNFTコレクターから人気を集めているとしています。

4種類のシンボルNFT(出典:doublejump.tokyo株式会社)

風の谷のナウシカ複製セル画もNFTに

有名作品「風の谷のナウシカ」の複製セル画もNFT化されています。そもそもセル画とは、セルという透明なシート上に描かれる絵のこと。アニメ制作のデジタル化により現在ではセルを作成することがほとんどなくなり、希少価値が上がってきているとされています。

複製セル画とは、言葉通りセル画をコピーしたもの。ただ、単なるコピーではなく、高度な技術を用いて限りなく本物のセル画に近づけたものとなっているようです。

風の谷のナウシカのセル画は実物が存在するため、今回取引されるのはデジタルデータではなく所有権のNFTです。所有権NFTの保有者になり、そのNFTをバーン(焼却)すると、実物のセル画を郵送してもらうことができます。

風の谷のナウシカ複製セル画の所有権NFT(出典:楽座

所有権NFTの取引が行われるのは、アニメのセル画・原画などの所有権NFTを売買できるNFTマーケットプレイス「楽座(RAKUZA)」。現在は上記のように複数のNFTが出品されており、なかには1,000万円を超えるものもあります。

オタクコインがアニメを救う

NFTを活用してアニメを救う取り組みを実施している団体の一つが、一般社団法人オタクコイン協会です。オタクコイン協会は、ブロックチェーン技術の活用と、オタクコインの健全な発展および運営、ブランディング活動や関連プロジェクトの推進などを行っています。

アニメ業界活性化に貢献するオタクコイン

オタクコイン協会は、アニメ業界の活性化に貢献するべく、アニメ業界におけるブロックチェーン技術の活用を目指しているとのこと。

その目標を達成するため、たとえば2021年7月には、オタクコインのコンセプトを伝えるアニメPV「オタクコイン・ワールド」を、1シーンごとにレプリカとして777枚を切り出してNFT化し、希望者に無料配布しました。

これは実証実験として実施し、その後11月には、オークション形式で入札額が高い順に配布することを発表。このオークションで得た資金を、次のアニメPVの制作に充てる意向を示しています。

(出典:一般社団法人オタクコイン協会)

また、二次創作作品を提供するだけでNFT化・販売・収益還元まで行う、公式公認の個人クリエイター支援プログラムも実施しています。2021年5月に発表されたこのプログラムは、オタクコイン協会を含む4組織によって実現しました。

NFTマーケットプレイス「Rarible」上の東北ずん子の認証アカウントにおいて、公式自ら二次創作作品を販売することで、個人クリエイターの二次創作活動を支援するとしています。東北ずん子は、SSS合同会社が運営するずんだ餅をモチーフにした少女のキャラクターおよびその関連コンテンツの総称です。

NFTでアニメスタジオの制作活動を支援

NFTでアニメスタジオの制作活動を支援する取り組みも実施されています。その例として挙げられるプラットフォームが、「アニメバンク(β版)」です。

アニメバンク(β版)

アニメバンク(β版)は、ブロックチェーン・NFTを活用した新サービス。ブロックチェーンゲームやNFTサービスの開発を行うCryptoGames株式会社と株式会社THE BATTLE、オタクコイン協会が発表しました。

アニメバンク(β版)イメージ(出典:CryptoGames株式会社)

アニメバンク(β版)は、アニメスタジオの制作活動を支援すると、報酬と限定アニメNFTがもらえるサービスとなっています。

まとめ

NFTはデジタルデータでありながら希少価値も証明でき、マーケットプレイスによっては二次販売をしてマネタイズもできるため、アニメクリエイターにとって魅力ある仕組みといえます。また、アニメ業界では海賊版による被害も課題となっていますが、NFTを活用することで、こうした被害を減らせる可能性も秘めているでしょう。

今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。

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