金融庁がバイナンスに警告?暗号資産利用時に確認すべきこととは?

金融庁がバイナンスに警告?暗号資産利用時に確認すべきこととは?

NFTの取引では取引に暗号資産(仮想通貨)を使います。暗号資産を手に入れるには暗号資産取引所で法定通貨との交換をします。この交換をする世界最大級の暗号資産取引所バイナンスに対して 金融庁は、消費者へ向けて 警告を発出しました。活況を呈しているNFTマーケットへの影響はあるのでしょうか?

 

金融庁HPより:https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency02/Binance2_keikokushilyo.pdf

警告内容

2021.06.25 金融庁は、中国で2017年7月に運営開始した世界最大級の暗号資産取引所・バイナンスに対して、日本居住者を相手方として、暗号資産交換業を行っていたものとして警告を発しました。なお、バイナンスに対する警告書の発出は2018.03.23に続く2回目となります。この警告の発出は、暗号資産交換業者としてのバイナンスに対するものであると同時に消費者である我々への警告でもあります。

また、2021.06.28には 英国の金融規制当局である金融行動監視機構(FCA)が、必要な許可を取らずに英国で活動しているとして、英国内での事業の禁止し、消費者へ警告を発信しています。

バイナンスはツイッターで、「The FCA UK notice has no direct impact on the services provided on http://Binance.com 」とコメントしており、「http://Binance.com で提供されるサービスに直接的な影響はありません。」としています。

一方、バイナンスは 2021.06.17には「Featured by Binance」をローンチ、2021.06.24 に 「Binance NFT」のサービスを開始しています。「Binance NFT」では 2021.04.02に Openseaで作品を出品し、約1300万円で落札された VRアーティストの せきぐちあいみ さんの作品も出品されています。活気を帯びているNFT市場への影響が懸念されます。

暗号資産交換業者の登録

国内では、平成29年4月1日から、「暗号資産(仮想通貨)」を 国内で法定通貨と交換するサービスをするには暗号資産交換業の登録が必要となっています。金融庁によると、暗号資産交換業者として登録している業者は 30業者ありますが、バイナンスは暗号資産交換業の登録をしていません。暗号資産交換事業者登録一覧はこちら

暗号資産交換業として登録している業者は、例えば、コインチェック, ビットフライヤー,GMOコインなどがあります。金融庁では、暗号資産はマネーロンダリング(資金洗浄)や詐欺で使われる恐れがあるとの懸念から、規制当局による同業界に対する取り締まりを続けています。

過去に警告を受けた暗号資産交換業者は以下の通りです。(金融庁HP より)

2021.06.25 Binance Holdings limited

2021.05.28 Bybit Fintech Limited

2020.06.26 Bitforex Limited

2020.06.26 AmanpuriCo.,Ltd

2020.01.21 CBASE FINTECH LAB LLC

2019.12.13 BtcNextCompanyLimited

2019.06.25 Cielo EX Limited

2019.02.15 SB101

2018.03.23 Binance 

2018.02.13 Blockchain Laboratory Limited

暗号資産交換業者の登録が必要な理由は、「G7サミット等における国際的な要請や、国内の暗号資産事業者の破綻事案を踏まえ、マネー・ロンダリング対策や利用者保護の観点から、暗号資産交換業を行う者に対する規制を整備しました。」(金融庁)とされています。

利用者が暗号資産を利用する際に確認するべきことは、

・金融庁財務局の登録を受けた事業者であることを確認する。

・取引する暗号資産の内容に関する説明を登録業者から受けているか?

・取引内容や手数料などに関する説明を登録業者から受けているか?

・自身が行った取引の履歴や残高について、適時確認しているか?

などです。

国内暗号資産規制法の状況

日本では2020年5月1日より、暗号資産に関する様々な法改正が施行されました。これまで未解決だった論点などが明確化され、暗号資産ビジネスがよりやりやすくなりました。

暗号資産にかかる法律は、資金決済に関する法律(資金決済法), 犯罪収益移転防止法 (犯収法), 金融商品取引法の3つがあります。

2016年の法改正(資金決済法,犯罪収益移転防止法など)では、暗号資産の交換業者に登録制が導入され、口座開設時の本人確認等の義務づけ, 利用者保護の観点から、一定の制度的枠ぐみが整備されました。

2019年の法改正(資金決済法, 金融商品取引法など)では、利用者保護の確保やルールの明確化のための制度整備, 国際的な動向等を踏まえ、法令上の呼称を「仮想通貨」から「暗号資産」に変更 などが なされました。2018年には、金融庁主導の下、事業者のガバナンスの審査・監督のため、一般社団法人 日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が設立され、管理の下、現在30社が仮想通貨ビジネスを運営しています。

技術の進歩があまりにも早く、また様々なサービスが日々展開される中で、法による規制が後追いになっている側面はあるにせよ、あたらしい未知なる発展が損なわれないよう、一定の消費者保護のための規制とのバランスが重要と思われます。

NFTにかかる暗号資産としての法規制

現状、NFTに関する法令上の定義は特にありません。これは、NFTが一切規制の対象外であるということではなく、まだ定義ができない段階にある。ということです。NFTが暗号資産に該当するのかしないのかは個別に判断されることになります。

暗号資産の定義は「資金決済に関する法律」によって 以下の性質を持つものと定められています。

  1. 不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる
  2. 電子的に記録され、移転できる
  3. 法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない

NFTに個性があり、唯一無二な価値を表すものであるとした場合には、不特定の者に対しての代金支払いに使用できるとは思い難いのでいわゆる仮想通貨と同等とは言い難いです。この点は、2019年9月3日公開の金融庁のパブリックコメントNo.4において「例えば、ブロックチェーンに記録されたトレーディングカードやゲーム内アイテム等は、1号仮想通貨と相互に交換できる場合であっても、基本的には1号仮想通貨のような決済手段等の経済的機能を有していないと考えられますので、2号仮想通貨には該当しないと考えられます。」とされているので、暗号資産として扱われることはないと思われます。

しかし、多数のNFTがそれぞれ区別されないような性質のものであった場合には、個別具体的な判断の対象となります。これは、パブリックコメントNo.1において「資金決済法第2条第5項に規定する仮想通貨 の該当性については、法令に基づき、実態に即 して個別具体的に判断されるべきものと考えて おります。」とされていることによります。

とすると、NFTだから 法規制の対象外と一意にいうことはできず、場合によっては暗号資産として法規制の対象となりうると言えます。

なお、NFTの売買によって代金の一部が1次所有者の元へ還元されるような商品は金融商品取引法による規制に該当する可能性があります。

NFTビジネスのガイドライン

日本では、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)がNFTビジネスに関するガイドラインを策定しています。JCBAは暗号資産交換業者のみならず暗号資産関係のサービス事業者が多数集まった業界団体です。

このなかで、NFTが法規制に該当するかの検討のフローチャートが示されています。このフローチャートを使えば、NFTがどの関連法制に該当する可能性があるかがわかるようになっています。

一般社団法人 日本暗号資産ビジネス協会「NFTビジネスに関するガイドライン」より:https://cryptocurrency-association.org/nft_guideline/

このフローチャートによれば、NFTを保有することによって何らかの利益の分配を得られるような場合は、金融商品取引法上の有価証券に該当する可能性があるとされています。また、決済手段等の経済的機能を有している場合は、前払式支払手段(プリペイドカードなど),暗号資産, または、為替取引の一部となる可能性がありとされています。

有価証券であるとした場合は、一項有価証券として取り扱われることとなり、発行者へ情報の開示規制や、取引に関与する者への登録規制・行為規制などが適用されることになります。前払式支払手段であるとした場合は、発行者は、財務局長等への届出や登録が必要になります。暗号資産であるとした場合は、管理等の業務を行う業者に暗号資産交換業者としての登録が必要となります。NFTの売買や管理を委託する業者が暗号資産交換業者として登録されている業者であるかを確認する必要があります。為替取引の一部であるとした場合は、発行者は銀行業の免許または資金移動業者としての登録が必要ということになります。

ガイドラインでは、この他に、賭博行為にあたらないか、景品表示法の規定に該当しないか、匿名性とプライバシーに関してマネーロンダリング等の違法な利用を禁止した上でのサービスの提供、セキュリティ、ユーザー保護に関するガイドラインが示されています。

全般的に、NFT使ってサービスを提供する側のガイドラインになっていますが、サービスを利用する側からも適切にサービスが提供されているかをチェックすることで、安心・安全なNFT業界の発展に寄与できると思います。

まとめ

暗号資産、NFTはあたらしいサービスであり、規制との関係は常に考慮するべき問題とも言えるでしょう。今回の件で、バイナンスがどのような対応を取るかわかりませんが、消費者側でもより良いサービスとなるように、今一度確認する必要がありそうです。

NFTによるビジネスについてはNFTを直接的に規制する法制は現在のところありませんが、過剰な法規制が掛けられるような事態にならないよう健全に発展することを期待するばかりです。

NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。

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