ブロックチェーンゲームやNFTサービスの開発を行うCryptoGames株式会社は10月15日、NFTのAirdropサービス「NFTAirdrop」をリリースしたことを発表しました。同社はこれまで、3万種類、総発行数およそ10万個のAirdropを実施してきました。この経験に基づき、NFTAirdropでは、1万種類以上や1万個以上の大量のNFTを無料で配ることが可能になっています。
この記事では、そもそもNFTを「配る」とはどのようなことを意味するのかに加え、NFTAirdropの特徴をご紹介します。
NFTを「配る」とはどういうことか
まず、NFTを配るとはどういうことなのかを見ていきましょう。
NFTは購入するものと配布するものがある
NFTは「購入するもの」と「配布するもの」に大別されます。購入するものとは、仮想通貨(暗号資産)などを支払って購入するNFTで、配布するものとは、基本的には無料で貰えるNFTを指します。
最近ではツイッターを中心に、NFTを無料配布する「NFTGiveaway企画」が実施されており、こうした企画を通してNFTを配布することを「Airdrop(エアドロップ)」と呼ぶ場合もあります。
NFTGiveaway企画で使用されるブロックチェーンは、イーサリアムやポリゴンなどが一般的で、実際にエアドロップするときにはNFTを配布する相手のウォレットアドレスが必要になることが多くなっています。
NFTAirdropはNFTを配るプラットフォーム
今回リリースされたNFTAirdropは、NFTを無料で「配る」ことができるプラットフォーム。ブロックチェーンは、イーサリアムとポリゴンに加えてバイナンススマートチェーン(BSC)を選択できますが、すでにコントラクトを作成しているプロジェクトについては対応が難しい場合があります。
無料でNFTが貰えるのでPR効果が高い
NFTAirdropの特徴は、無料でNFTを配布できるので、配布する側にとってPR効果が高い点です。無料で配布すれば、これまでNFTを購入したかったけれど価格面で懸念があったりして購入に至らなかったユーザーを引き込み、それが結果的にPRにつながるからです。そのほかの特徴も見ていきましょう。
アーティスト、企業など誰でも利用できる
アーティストや企業など、誰でもNFTAirdropを利用できる点も特徴です。実際に、これまでに企業がNFTAirdropを利用した3つの事例をご紹介します。
1つ目は、ウォレット・イーサリアムなしで遊べるブロックチェーンゲーム「クリプトスペルズ」がNFTAirdropで実施したNFT配布キャンペーンです。このキャンペーンをツイッターで発表したところ、国内では4,000リツイート、海外では1万7,000リツイート超えを記録し、大きな反響を呼びました。
2つ目は、オタクコイン協会がNFTAirdropで実施したNFT配布キャンペーンです。オタクコイン協会は、ブロックチェーン技術の活用と、オタクコインの健全な発展および運営、ブランディング活動や関連プロジェクトの推進を行う協会。クリプトスペルズと同様にツイッターでこのキャンペーンを発表したところ、国内では4,000リツイート、海外では2万8,000リツイート超えとなりました。
3つ目は、2021年に実施されたリアル・バーチャル連動イベント「京まふ2021」の来場者に対し、NFTAirdropを利用してイベントの記念NFTを無料配布したことです。京まふ2021では、作品「似合うよ?」が展示されました。
この作品は、3DCGスタジオ「安田現象スタジオ by XENOTOON」監督で、TikTokでアニメ作家・クリエイターとして国内トップのフォロワーを有する安田現象氏が制作した15秒の3DCG作品。そして、同作品の1シーンを切り取った京まふ10周年記念ロゴ入りの来場証明書がNFTとして発行され、来場者全員に対してQRコードで配布されました。
NFTは人気のデジタルコンテンツでもある
そもそもNFT自体が人気のデジタルコンテンツでもあることが、クリエイターや企業のPRの効果をさらに高めてくれるでしょう。NFTが人気である理由の一つは、ブロックチェーン技術を活用することで、デジタルデータでありながらその保有権を証明できる点。
2021年に入ってからこうした魅力を持つNFTの急速に人気が高まり、アート作品のNFTが数千万ドルで落札されたり、著名ロックバンドが最新アルバムのNFTを発行したりしています。
ウォレットがなくてもNFTを受け取れる
NFTAirdropのもう一つの特徴は、一般的なNFTGiveaway企画で必要とされるウォレットがなくても、NFTを受け取れる点です。どのように受け取れるのか、詳しくご紹介します。
NFTStudioなら誰でも受け取れる
NFTAirdropでは、次の3つの方法でNFTを配布しています。
- QRコード配布:ウォレットがないユーザーに対しても、NFTStudioにてSNSやメールアドレスログインで配布可能。不特定多数のユーザーへの送付ができる
- 特定アドレスに配布:ユーザーのウォレットに直接NFTを送付する。特定多数のユーザーに送付できる
- 特定のNFT所有者に配布:ユーザーのウォレットへ直接NFTを送付する。特定のNFTを持つユーザーに送付できる
上記の「QRコード配布」にあるように、ウォレットがないユーザーでも、クリエイターのNFT販売プラットフォーム「NFTStudio」でNFTを受け取れるのが特徴です。
もちろんウォレットを利用した受け取りもでき、特定のアドレスや特定のNFTを持っているユーザーに配布するなど、ターゲティングもできます。
NFT普及の鍵はウォレット?
NFTをさらに普及させるために鍵となるのが、ウォレットではないかと考えられています。なぜなら、NFTAirdropのようにQRコードでの配布が可能になっているサービスもありますが、NFT業界全体としては、NFTの受け取りにウォレットが必要になることがまだ多いからです。
そもそもウォレットとは、NFTを保管しておくためのもので、ウォレット内には所有しているNFTの秘密鍵が記録されています。秘密鍵とは、NFT取引で署名する際に入力が必要な文字列で、この秘密鍵を持っている人がNFTの所有者だと証明されます。そして、NFTの所有者が変わる場合は、秘密鍵を使って新たな所有者にNFTを送る仕組みです。
まとめ
これまでにもツイッターなどを中心にNFTを無料配布する「NFTGiveaway企画」が行われてきましたが、今回、NFTの無料配布に特化したAirdropサービス「NFTAirdrop」が誕生しました。これにより、これまで以上にNFTの無料配布が実施されるようになり、企業やクリエイターの支援や、NFT人気のさらなる高まりにつながるかもしれません。
今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。