WWEがNFTに参戦!
アメリカのプロレス興行団体であるWWE(ワールド・レスリング・エンターテインメント)は、FOXエンターテイメント関連の「ブロックチェーン・クリエイティブ・ラボ」と提携し、新しいNFT市場を立ち上げると2021年10月に発表しました。
発行されるNFTは、「スーパースター」(WWEは所属レスラーをこう呼んでいます)らの、レスリングの思い出に残る瞬間と捉えたものなどになる予定とのこと。
従来のスポーツNFTの動向を参考にすると、おそらく試合中の名場面動画をNFT化したものなどが販売されるのではと考えられます。
スポーツNFTが続々登場している
こうした試みは、決してWWEが最初ではありません。
もともとスポーツの分野は、有名選手の歴史的瞬間に使われたボールやユニフォームなどのスポーツ用品が高値で取引されたり、記念碑的なグッズが高値で取引されるという現象がよく起こる世界。こうしたグッズは「スポーツ・メモラビリア」と呼ばれています。今年5月にも大谷翔平選手のホームランボールが80万で取引されたことがニュースになりました。
道具だけでなく、選手自身の肖像をシリーズ化したトレーディングカードも根強い人気です。スポーツ選手や名試合は神格化・伝説化されやすいため、こうしたアイテムに執着するファンの雰囲気は、そのままNFTを受け入れる下地になっているとも言えるでしょう。
世界ではこの種のNFT化の動きが先行しており、バスケットボールNBAは選手のハイライトシーンを撮影した動画NFT「NBA Top Shot」シリーズを販売。2021年2月までに、取引総額は2億3000万ドルを超えています。
「Sorare」は世界各国のサッカー選手をカード化したブロックチェーンゲームで、現実の選手たちの成績がゲーム内のスコアにも反映してくるという趣向になっています。提携チームは全世界140チーム以上。
日本でも埼玉西武ライオンズが今年9月、「ライオンズコネクション」で日本のプロ野球チームとして初めてNFT販売を開始しました。
アート作品とスポーツNFTには金額の差があるのか?
それでは、アートとスポーツのNFTではどちらが高額になるのでしょうか?
2021年11月現在、史上最高額で取引されたNFT商品は、アメリカのデジタルアーティスト・beepleによる「Everydays: The First 5,000 Days」。同作の75億円が現時点でのNFTアートの、同時に全NFTひっくるめての過去最高額となっています。
ではスポーツ関連のNFTはどうなのか?
残念ながらというのか、スポーツのNFTはまだそこまで目をみはる高額商品は出ていません。
スポーツ関連の高額商品といえば、超有名バスケットボール選手のマイケル・ジョーダンの関連商品はプレミアがつきやすいことで有名です。なかでも今年10月、とあるトレーディングカードが3億900万円で取引され、レコードブレイキングとしてニュースになりました。ですがこの額でも「Everydays: The First 5,000 Days」の25分の1ほど。しかもこれは1997-98年に販売された「アナログの」トレーディングカードであり、NFTではありません。
これが記録という事は、NFTのスポーツ関連商品はもっとずっと安いことになりますから、トップ商品の値段でいえばアート作品に分があると言えるでしょう。
まとめ
しかし芸術作品がしばしば難解であるのに対し、スポーツ関連商品の価値は、素人にもその価値が分かりやすいというメリットがあります。選手の知名度や成績は目に見えるスコアとして誰もがアクセスできる情報ですし、なにしろ試合は定期的に行われる以上、コンテンツ供給の安定性が強みです。
そしてスポーツには長年培われてきた膨大な人口のファン層があります。デジタルアートファンとスポーツファンを比較すれば、現時点でコンピュータ関連に精通しているのはデジタルアートファンであろうと考えられます。
値段で後れを取っているのも、まだその人々にNFTが認知できていないだけである可能性も高く、市場としての伸びしろは大きそうです。これからあれよあれよと取引額が上昇していくことも考えられます。
いずれの分野にせよ、NFTがこれから伸びてゆく可能性が高い市場であることに変わりはありません。
むしろ売る時のことを考えるよりも、自分の愛する選手やアーティストに「投げ銭」するつもりで購入し、その価値の上昇を眺めて楽しむことこそ「唯一無二の価値」をもたらすNFTコレクションの本道なのかもしれません。
今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。