NFTの売買により利益を得ようと、儲かるNFTを探す人は多くなっています。ただ、以前であればさまざまなNFTが高値で取引されていましたが、NFTバブルが落ち着きを見せた今、儲かるNFTがごく限られているのが実情です。
この記事では、儲かっているNFTアートやNFTアートゲームの事例を紹介し、儲かるNFTを探す際に着目すべき点も解説していきます。
NFTゲームと賭博罪の関係性
儲かるNFTについて考える前に、NFTゲームと賭博罪の関係性についてご紹介します。というのも、日本においては、NFTゲームに関する法規制があまり整備されていないですが、NFTゲームが賭博に該当するのではないかという声が寄せられているのも事実だからです。
賭博の定義は「偶然の勝敗により、財産上の利益の得失を争うこと」で、これを業としてサービスを提供した場合には、賭博罪に問われる可能性があります。
NBA Top Shotの問題
NFTゲームと賭博罪の関係性が議論されるきっかけになったNFTゲームの一つとして、全米バスケットボール協会公認のNFTゲーム「NBA Top Shot」があります。
NBA Top Shotの特徴として、「希少性によって種類が分けられたバスケットボール選手のプレー動画などのNFTを、無作為に抽出し、ユーザーに販売する」「ユーザーは二次流通市場において、自分が持っているNFTを転売し、換金できる」といったものが挙げられます。
NBA Top Shotが持つこれらの特徴は、賭博に該当するのではないかという声が寄せられているのです。
EUでは許可制の厳しい参入障壁
日本では、NFTについて厳しい規制は設けられていません。
しかしEUではすでに、NFTなどを発行したりサービスに組み込んだりする暗号資産企業各社に対し、「許可制」としています。マネーロンダリングや詐欺を防ぐため、すべてのNFT取引にIDチェックを課す新たな法律「MiCA(Markets in Crypto Assets Regulation)」も可決しました。
このように、EUではNFTにおいて厳しい参入障壁があります。
儲かるNFTアートやNFTアートゲーム
ここからは、儲かるNFTアートやNFTアートゲームとして、どのような事例があるのか見ていきましょう。
AIイラストがNFTアートに参入
株式会社FUWARIは2022年6月、同社が運営するNFTマーケットプレイス「HINATA」にて、AIとクリエイターが融合した2.5次元イラストレータユニットによるイラスト作品の販売を開始しました。
HINATAとは、ありとあらゆるクリエイティブを応援するNFTプラットフォームです。NFTで取り扱われることの多いデジタルアートやイラスト、写真だけでなく、ホテルの会員権や結婚証明書など、枠にとらわれない多彩多様な企画を打ち出しています。
今回HINATAでデビューした2.5次元イラストレータユニットは、AiHis(アイヒズ)とAiShe(アイシー)です。彼らはAIが生成したイラストをもとにリライティングしたり、描写が不足している部分を補強したりすることで作品を創り上げていきます。
2022年7月には、HINATAにてNFT背景素材の販売を開始しました。
漫画をはじめとするイラストは、ジャパンカルチャーとして世界中に広く知られていますが、クリエイター側にとっては、少ない報酬や短すぎる納期など、厳しい現実があります。
NFT背景素材は、このようなクリエイターの現実を改善しようと企画されたものです。クリエイターの労力を大幅に軽減できるよう、加工できるPSD形式で販売され、商用利用も可能です。
Axie infinityは成功したNFTアートゲームの一つ
遊びながらお金を稼げることが特徴の「Axie infinity」は、成功したNFTアートゲームの一つとして知られています。数多くローンチされてるNFTゲームの中でも非常に人気が高く、1日のアクティブユーザー数が280万人を超えるなど、大きな盛り上がりを見せています。
Axie infinityはベトナムでローンチされたNFTゲームです。フィリピンを中心とした東南アジアで特に広がりを見せており、ゲームをプレイすることで生計を立てている人もいるほどです。
Axie infinityではモンスターのNFTを購入し、バトルなどを通じてトークンを稼ぐことができます。スカラーシップという制度を利用すれば、ほかのユーザーにゲーム内で使用するキャラクターをレンタルし、不労所得を得ることもできます。
NFTで儲けるためには目利きが必要
このように儲かるNFTアートやNFTアートゲームは存在しますが、実際にNFTで儲けるためには目利きが必要です。というのも、NFTなら何でも売れる時代は終わったと考えられているからです。
NFTなら何でも売れた時代は終わった
2021年3月に、Twitterの創業者であるジャック・ドーシー氏の最初のツイートのNFTが約3億円で売れたあたりから、NFTに大きな注目が集まるようになりました。その頃からさまざまなNFTが高値で取引されるようになりましたが、その後、仮想通貨バブルが弾けたり、仮想通貨取引所が破綻したりしたこともあり、NFTなら何でも売れる時代は終わりつつあります。
実際に、約3億円で売れたジャック・ドーシー氏の最初のツイートのNFTは、2022年4月にオークションにかけられました。しかし、入札はわずか7件。約800円から約3万円くらいの値しかつきませんでした。
有名ブランドの発行するNFT
NFTバブルが落ち着きを見せるなか、有名ブランドの発行するNFTは、比較的高値で取引される傾向にあります。ナイキやアディダス、グッチ、ルイ・ヴィトンなど数多くのファッションブランドが、NFTに参入しています。
たとえば、ナイキ傘下の「RTFKT(アーティファクト)」は、メタバース上のスニーカーNFTなどの制作に力を入れています。2022年12月には、デジタルと現実を融合する初のスマートスニーカー「Cryptokicks iRL」のリリースを発表しました。1万9000足の限定生産となる現物スニーカーと引き換え可能なNFTとして販売されています。
メタバースの動向にも注目
NFTで儲けるために注目しておきたいのが、メタバースの動向です。2021年にはFacebookやInstagramなど人気のSNSサービスを手がける旧Facebook社が社名を「Meta」に変更したこともあり、メタバースが大きく注目を集めるようになりました。
メタバースでは、仮想空間におけるアイテムやキャラクター、土地などあらゆるものがNFT化されています。NFTによって、メタバースは単なる娯楽の場ではなく、収益を得ることができる場所へと変わりました。
メタバースには物理的な距離の制約がないため、オンラインでの交流がより円滑になるといった特徴もあり、メタバースを活用したNFTビジネスが拡大していくことも期待されます。
まとめ
NFTで大きく儲けている人がいるのは事実ですが、NFTバブルが落ち着きを見せる今、儲けるためには目利きが必要です。AIやメタバースを活用していることなど、ほかのNFTとは違った強みを持つNFTに着目することが大切です。
今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。