NFTカードの急成長の背景
NFT（Non-Fungible Token）は、デジタルデータの中でも様々な応用が可能なシステムとして急速に注目を集めています。特に、このNFT技術を取り入れたカードゲームが、従来のデジタルゲームとは一線を画して注目を集めています。NFTの持つ一意性と不変性が、従来のゲームでは体験できなかった新しいゲーム体験を提供しているからです。
NFTカードゲームの魅力
NFTカードゲームの魅力は、ブロックチェーン技術を基にした独自性と所有権の確保にあります。
各カードはユニークな属性や能力を持ち、その希少性から高い価値を持つことも。ゲーム内でのカードの取引や成果による価値の変動は、プレイヤーに経済的戦略の要素を加え、従来のゲーム以上の没入感を提供します。
また、所有したNFTカードは外部マーケットでの売買も可能となり、ゲームを超えた資産としての側面も持っています。これにより、ゲームのプレイだけでなく、投資やコレクションとしての楽しみも増幅されます。
DMMグループのサブセットであるDM2C Studioは、LudicCubeと提携し、NFTカードを採用したカードゲーム『Duelyst3.0』のリリースを2023年12月に予定していると発表しました。（https://project.duelyst3.com/）
このゲームは、以前に82%の高評価をSteamで受けた「Duelyst」のweb3版で、トレーディングカードとターン制ストラテジーゲームの要素を組み合わせています。元の「Duelyst」は2020年にサービスを終了しましたがweb3技術を採用して復活する予定です。公式サイトとホワイトペーパーの公開が予定されており、α版のテストには限定的に100名が参加でき、これらの参加者には限定NFTカードがエアドロップされる予定です。
CryptoGamesは、ブロックチェーンゲーム「CryptoSpells」と「OASYX」のコラボで「MARYU（龍造）」のゲーム用NFTを制作し、SBINFT Marketで販売します。（https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000103934.html）
このNFTは「GOLD」レアリティで、187枚を570 $OASで限定販売。SBINFTは、アートNFT中心のマーケットだったが、ブロックチェーンゲーム市場の成長を受けて方針転換。複数のカードゲームで使用される「TCG Verse」チェーンを2023年8月31日から導入し、ゲーム用NFTの流動性を向上させ、より多くのユーザーにゲームNFTの取得の機会を提供する計画です。
NFTカードゲームと投資
NFTカードゲームの中には、純粋なエンターテインメントとしてだけでなく、新しい投資の形としての側面も存在します。NFTの価値は流動的で、株や通常の資産とは異なり、その価値がいつ急落するか予測が難しいため、投資する際には慎重な判断が必要です。
・50万円を超える値段のついたカードも！「クリプトスペルズ」
「クリプトスペルズ」は、ブロックチェーン技術を活用した日本最大級のデジタルカードゲームの一つです。ゲーム内のカードがNFT（Non-Fungible Token）として所有されることが最大の特徴で、これによりプレイヤーは自分のカードを他のプレイヤーやマーケットプレイスで自由に売買できるようになっています。
二次流通サイトでは1枚50万円を超えるNFTカードや、イベント優勝商品の世界で1枚しかないNFTなど様々なカードが売買されています。
・毎月のクエストで稼げるお仕事ゲーム「JobTribes」
2021年にリリースされた「JobTribes」は、シンガポールのDEA社が運営するNFTトレーディングカードゲームです。ゲームの特徴は、日本の職業を擬人化したキャラクター「職業神（ジョブロード）」を使用し、NFTカードでアミュレットというバトルカードを強化すること。無課金でもプレイが可能で、スカラーシップシステムも採用しています。
最高レアのカードの場合の取引価格は50万DEPほど（1DEP＝約0.1円※記事執筆時点）のため日本円で1枚5万円程度で取引されています。
PlayMiningマーケットhttps://daa.playmining.com/market?gameTitles=cl8jxahuq0009l5rwgeh646m3&jtcbRarity=RARITY-JTCB_LEGENDARY&page=1
NFTカードゲームの課題
NFTカードゲームは新たなゲーム形式として注目されていますが、問題点も存在します。ゲームのバランスが経済的価値に左右され、レアカードの独占や価格操作により公平性が失われるリスクがあります。更に、カード価格の高騰により、ゲームプレイより投資目的の取引が増加する恐れも。しかし、これはNFTが新しい投資領域としての潜在力を示しており、持続的価値を持つカードの発掘や独特の投資戦略が必要とされています。
・NFTカードゲームと法律の課題
NFTは、ただのデジタルアートやゲームアイテムとしての役割に留まらず、事業の収益を分配する権利としても使用される可能性があります。このような使い方をする場合、金融商品取引法の対象となる「電子記録移転権利」として扱われる可能性が出てきます。簡単に言うと、一定の条件下でのNFTの取引は、特定の金融取引と同じように見なされ、そのルールを守る必要があるのです。
例えば、ブロックチェーンゲームで、NFTを持っていると特定の報酬をもらえるといった設計をする場合、そのNFTは金融商品としての性質を持つかもしれません。
このような背景から、NFTをビジネスに取り入れる際は、法律の観点からの検討が欠かせません。具体的な取引の内容やNFTの設計によって、どの法律が適用されるのかが異なるため、専門家の助言を得ることが重要です。
6. まとめ
NFTカードゲームは、ブロックチェーン技術とゲームの融合により新しいゲーム体験を提供しています。その一方で、投資としての側面も持つため、そのリスクと共に適切な戦略を練る必要があります。今後もその動向と発展を見守りながら、新しいエンターテインメントの形として楽しんでいきたいですね。
