NFT(非代替トークン)の登場で、無価値とされたデジタルアイテムが数億円で取引されるようになりました。触れることができないデジタル上のNFTと物的収集品を鑑定する基準の違い、ブロックチェーン市場が実現した暗号資産のNFTだから叶う物理世界のリアル資産を超える5つの新しい価値について解説します。
電車に乗れば、車両の8割の人たちはスマホをいじっていると思います。またコロナ渦で、会議や面接などは実際に会う対面形式ではなく、オンライン通話で済ませることになった人も多いでしょう。このように私たちがオンライン上で過ごす時間はますます増えています。
そんな流れで、旅行や飲食業界が売り上げ減に苦しむ中、デジタル上の動画や音楽のサブスクリプションサービスの購買者数は右肩上がり。触れたり、物理的に所有したりすることができないデジタルアイテムの価値はうなぎのぼり状態です。
このような時流を受けて、NFT(非代替トークン)の存在意義が高まるというのは自然な流れでしょう。無料だったデジタルアイテムが今ではNFT化されることで、なんと数億円規模で取引されています。
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NFTと物理資産との違いは?価値を決める3つの要素
何故、タダ同然だったデジタルアイテムがNFT化されることで高額資産になったのでしょうか。そこでまず、NFTと物理資産との違いを明確にしましょう。
物理資産を鑑定するときの3つの基準とは?
物理資産として思い浮かべるのは、モナリザの原画だったり、憧れの野球選手のホームラン・サインボールだったり、古くて希少なコインや切手などの物的収集品です。これらは物理世界に存在し、すべて触れることができて実体を持ちます。
物理資産の価値は、3つの要素の組み合わせで決まります。
- 希少性:供給が少ないものは入手が困難なため、収集家により価値があるとみなされる可能性がある。
- 履歴:アイテムの所有履歴は、その制作者の評価や前の所有者の名声に基づいて、その価値に影響を与える。
- 品質:やや主観的な話ですが、品質は保存状態、素材の価値、機能性などで判断されます。専門の鑑定家などによって、美しさと実用性の両面から評価される。 ENJIN ブログ より
ところが、簡単に同じものが複製できるデジタルアイテムには、この3つの要素を持つことができませんでした。たとえば75億円の値がついたデジタルアーティストBeepleのデジタルアートはNFT化される前は、100ドル(1万円程度)のプリントとして販売されるにすぎませんでした。
しかし、ブロックチェーン技術によって、デジタルアイテムを所有し、その履歴も検証することができるようになりました。
NFTを鑑定するときの3つの基準とは?
ではNFTを鑑定するときの3つの基準とは何でしょうか。
ここで少し専門的な話になりますが、NFTは、ERC-721という規格が開発されることで作成されました。ERCとは、Ethereum Request for Commentsの略称であり、イーサリアムの技術提案のことです。この規格によって、NFTに関する権利の移動の記録が可能となっています。
また、ERC-1155規格というイーサリアム上のマルチトークン基準で、最適化されています。
このイーサリアム上の基準によって、これまで物的資産に限定されていた価値の尺度を、デジタルアイテム用にアレンジした以下の3つの要素で持てるようになりました。
- 希少性:スマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)は、資産の最大供給量を保証し、発行制限を設定できます。トークンのスマートコントラクトが、50枚しか発行しないと規定している場合、その希少性はコードで保証されます。
- 履歴の証明:ブロックチェーンは、誰にでも取引情報を閲覧することを可能にします。つまり履歴が検証できます。
- 実用性:ERC-1155トークンは、インターネット上の写真として存在するだけでなく、複数のゲームやアプリで機能するアイテムとして活用できます。またアイテムは発行後、他のプロジェクトとも連携できるので、より利便性を持ちます。 ENJIN ブログ より
NFTマーケットプレイスが巨額投資を集めるという事実
NFTについて厳密にいえば、物理世界で実体を持たないデジタルコンテンツは、日本では法的な所有権は認められていません。しかし、法規制がどうであれ人はNFTを求めています。事実、急速に成長するその市場の動きから判断し、デジタルコンテンツの需要は止まらないと、大手ベンチャーキャピタルのセン・ホロウィッツ(A16Z)などは、NFTマーケットプレイスOpenSeaに約25億円の投資をしています。
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物的収集品を超える!NFTだから可能な5つの新しい価値
法的な所有権が認められなくても、人はNFTを求め、大手ヘッジファンドも巨額投資を行うのはなぜか。NFTには物理アイテムでは達成できない以下の5つのメリットがあるからです。
- 利便性:遠くの市場に出かける必要はありません。オンラインマーケットプレイスは年中無休で営業しており、収集したい時にいつでもアクセスできます。
- 検証性: OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスでは、アイテムを名前、作成者、またはプラットフォームで検索できるため、便利です。売り手が不明という問題も少なくなるでしょう。
- コンパクト化:仮想空間上のデジタルアイテムは保管するための場所を取りません。
- 裏付け価値:ERC-1155トークンは、作成時にEnjin Coin(ENJ)に裏付けされるという強力な特徴があります。コレクションに飽きたり、売却できなくなったりした場合は、アイテムを破棄して暗号資産ENJに戻せます。これはアイテムの、原材料としても見なせます。
- 透明性:既存のトークンのビジュアルや説明をコピーしようとしても、ブロックチェーンエクスプローラーで検索すれば、そのトークンがオリジナルの作成者のプラットフォームやアドレスで発行されたかどうか、簡単に確認できます。
まとめ
急速に成長するデジタル市場に颯爽と現れたNFT(非代替トークン)。価値とされたデジタルアイテムもNFT化されることで高額取引されるようにもなりました。デジタル上のNFTと物理世界の収集品を鑑定するときの基準の違い、ブロックチェーン市場が実現した、暗号資産だからこそ叶う物理収集品を超える5つのメリットをご紹介しました。
今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。