どこを使っていいかわからない方必読!NFTマーケットプレイスの特徴比較

どこを使っていいかわからない方必読!NFTマーケットプレイスの特徴比較

NFTを売買するには、NFTマーケットプレイスと呼ばれる取引市場で自分用のアカウントを作成し、入出金・経費支払い用のウォレットアドレス(お財布口座)を登録した上でNFT作品の売買を行います。アカウントでは購入したNFT作品の管理や再販売する機能も用意されています。

そんな中、現在多くのNFTマーケットプレイスが乱立し、同業他社との差別化のため作品の質・傾向・決済方法等、運営に工夫が加えられています。今回はどのような取引市場があり何が取引されているのか見ていきましょう。

NFTマーケットプレイスの比較

人気のあるNFT市場、特徴のあるNFT市場を表にして比較してみました。

NFTマーケットプレイス毎の取り扱いアイテム特徴

ざっと挙げただけでも10か所以上、実際にはもっと多くの市場があり日々増加しています。現状、各国でもNFTマーケットプレイスへの法律・団体による規制がなく、各企業が独自判断で次々にサイトが立ち上がっている状況です。

なお日本の金融庁は仮想通貨取引所への監督は行っていますが、NFTマーケットプレイスへの監督については「動向注視」の段階、NFTを有価証券として取り扱うかどうか含め具体的な検討に入っていません。規制も保護もないのでNFT出品作をどう取引するか全て自己責任になります。

NFTマーケットプレイスの特徴

では、いくつかの切り口から市場毎の特徴やマイナス面への対策などを見ていきましょう。

出品者は本物かどうかわからない

NFTの規格上、発行者には何も資格が必要ありません。しかし、それが災いしてNFTマーケットプレイスには粗悪な作品が言い値で出品されるなど、市場として信用されていないケースが多々あります。妥当な評価による値付けなのかは購入者の知識・目利き頼りなのが現状です。そこでマーケットプレイスの方で出品について独自の基準を設けている場合があります。アート作品を主に扱う日本の「NFTStudio」「nanakusa」は出品者の審査を行うという対策で粗悪な作品を排除しています。また米国の「Foundation」は出品者を招待制にするなど、出品作の品質を一定のしきい値以上に保つ対策を採用しています。

マーケットプレイス毎にカルチャーがある

大量のNFTマーケットプレイスが乱立している状況なので、各市場とも特色を打ち出そうと専門化する傾向が見られます。

  • 日本のポップカルチャーに特化 … NFTStudio
  • プロスポーツデジタルトレカ … Dapper Labs
  • 有名ツイート … Valuables

ガス代(手数料)高騰対策に差が!?

NFTはethereumプラットフォームの上で管理されていますが、同一のプラットフォームで管理される仮想通貨ETHの高騰や、DeFi(分散型金融)の人気によりethereum上のトランザクションが増えており、それによりGAS代(発行したERC-20トークンへのマイナー承認手数料)が高騰しています。そのため例えばOpenSeaで「試しに売りに出してみよう」と考えたとしても、ethereumへのユーザーアカウント登録料が約1万円必要になります。またNFT売買成立時のトランザクションにも高額なガス代が掛かるため、出品時にはガス代を経費として見込んでおく必要があり、NFT作品の低額での売買が困難になり、作品流通に支障が発生しています。

ethereumプラットフォーム開発元もガス代高騰を問題視しており、マイナーへの報酬抑制のため、承認アルゴリズムをPoW(Proof of Work、誰でもマイナーになれる)からPoS(Proof of Stake、一定額以上のETHを保有する者がマイナーになれる)に転換しつつあります。しかしこれも今日・明日のガス代に直接効果が出る訳ではありません。

現実的には高額手数料支払い回避のため、Ethereum上で直接取引売買するのではなく、ガス代が低額で済むサイドチェーン(本道であるメインチェーンに相互乗り入れできる自動車専用道路の側道のようなもの)利用が普及しつつあります。既出の表を見ると分かるように、Ethereumの他にPolygon(トークン:MATIC)を採用しているマーケットプレイスの数が増えてきています。この他ガス代回避のためethereumを介在しない(NFTとは言えなくなりますが)、ドルや円のカード決済によるマーケットプレイス内ローカル取引も存在します。

なお、MATICを取り扱う日本国内取引所はまだ存在しないので海外の仮想通貨取引所を利用することになり、日本からのMATIC利用は不便です。

この他、Metaplexは独自ブロックチェーンのSolana上でNFTマーケットプレイスを構築しており、Ethereumとは別個の独自通貨SOLを用いて1ドル程度のコストで鋳造が可能です。そのためETH高騰の影響を受けていません。ただし、日本国内でSOLを扱う取引所はまだないので、海外取引所を利用することになります。またSOL自体も2021年になって高騰しているので、低コストというメリットが今後も継続可能なのかは不透明です。

出品時手数料を払わなくていいプラットフォームがある?

前述のようにNFTマーケットプレイスでの売買手数料が高くなっています。出品への門戸を広げるため、手数料課金のタイミングをなるべく遅らせる対策を取っているマーケットプレイスがあります。

例えば「OpenSea」の場合、出品時に手数料としてガス代が掛かりませんが、それは出品段階でのトランザクションが発生しないよう遅延させているためです。実際に売買成立タイミングで初めて課金が発生します。ただし出品したNFTは初回の売買成立までethereumプラットフォームに登録されていないので、OpenSeaの中でしか出品作を閲覧することはできません(他のマーケットプレイスには見えない)。

逆に、出品物の品質を高く保とうとしている「Foundation」は、高額取引狙いなのでこのような手数料遅延は考慮されていません。

NFTの利用は自己責任、法的なリスクが存在

「ゲームサイト」の体裁を取りながら実際にはネットワークカジノのサービスを行う会社がNFTマーケットプレイスに進出しています。仮想サッカーチーム対抗ゲームサイトの「Sorare」は、一見サッカーのオンラインゲーム提供会社ですが、有力選手・有力チームをNFT課金アイテムとしてサイト上で売買、勝敗の偶然性により勝利したチームオーナーへETHで賞金を出すサービスです。課金アイテム販売で得た利益を原資として、対抗戦の勝利チームオーナーへETHをリターン・敗者にはリターンしないことで射幸心を煽るビジネスモデルです。サービス提供国では合法なのかも知れませんが、日本国内からアクセスしてアイテム売買・プレイを行った場合、プレーヤーは刑法上の「賭博罪」に問われる可能性があります。なお、ゲーム提供会社は所在が海外のため、日本国内向けサービスを提供するのでない限りこの会社が日本の「賭博場開帳図利罪」に問われることはありません。しかし多数のJリーグのチーム実名を与えられた課金アイテムが販売されるなど、日本向けサービスを含むのでは?と疑われる点も見られます。Jリーグがチーム名の利用を容認しているとも思えないので日本の商標法違反の疑いもあります。

まとめ

各国のNFTマーケットプレイスが日々増加し、様々な特徴のビジネス形態が出現しているNFT業界ですが、中には上記で紹介した「Sorare」のように課金・賞金を伴うゲームサイトでのプレイを日本国内から行うと処罰される可能性がある事例も存在しますので、国内外での規制の違い等も理解した上で安全に楽しむことが大切です。

今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。

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