地方公共団体向けNFT事業は地方創生にどのような影響がある?おすすめサービス3選をご紹介

地方公共団体向けNFT事業は地方創生にどのような影響がある?おすすめサービス3選をご紹介

世界中で注目されているNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)を利用するのは一部のコレクターや事業者にとどまらず、今や地方公共団体がNFTを利用する取り組みも見られるようになりました。この記事では、地方公共団体向けNFT事業の特徴や、おすすめのサービス3選をご紹介します。

地方公共団体向けNFT事業支援とは?

地方公共団体向けNFT事業支援とは、地方の文化財や伝統工芸のNFT化を通じて、文化財・国宝などの所有者負担となる修理・保存コストや、伝統工芸の承継などの問題の認知拡大と同時に、地方創生・地域活性化を図るもの。地方公共団体向けNFT事業支援の例として挙げられるのが、NFTown(エヌエフタウン)です。

地方創生を目的とするNFTown(エヌエフタウン)

NFTownとは、企業・団体・地方公共団体向けのリアル・バーチャルイベントにおけるNFT販売事業支援サービス。アニメーションの企画・開発・プロデュースを中心とした事業を展開する株式会社XENOTOON(ゼノトゥーン)は7月27日、Webアニメの企画・制作などを行う株式会社NOKID(ノーキッド)と共同で、京都国際マンガ・アニメフェア2021(以下、京まふ)における初のリアル・バーチャル同時出展となる「360° VR 京まふNFTギャラリー powered by NFTown」を開催することを発表しました。NFTownは、京都国際マンガ・アニメフェア実行委員会と京都市からの協力もあり実現したとのことです。

NFTownには、次のような特徴があります。

  • ブロックチェーンゲームやNFTサービスの開発を行うCryptoGames株式会社のNFTプラットフォーム「NFTStudio」上にて、京都にちなんだ限定デジタルコンテンツや、世界遺産の神社仏閣コンテンツなどのデジタルイラストやアートをNFT化する
  • 京まふのXENOTOON/NOKIDブースのリアル会場と、ギャラリーを模したYouTube 360°バーチャル会場の同時展開により、京まふに直接来場できなくても気軽にNFTギャラリーを視聴したり、お気に入りのNFTを購入したりできる
  • クレジットカード決済も可能で、暗号資産のウォレットなどを所有していないNFT初心者でも参加できる
  • 開催記念として、ブースへの来場者全員に特別なNFTの無料プレゼントを実施する
NFTownの特徴(出典:株式会社XENOTOON

上記に出てきたCryptoGames株式会社は、ウォレットやイーサリアムなしで遊べるブロックチェーンゲーム「CryptoSpells(クリプトスペルズ)」を2019年6月25日に正式リリースしています。さらに、2021年3月にはクレジットカード決済に対応している点が特徴のNFT販売プラットフォーム「NFTStudio」をリリースし、2021年4月には「NFTStudio OEM」の提供を開始しました。

メタバースで地方活性化

XENOTOONとNOKIDが提供した地方公共団体向けNFT事業支援「NFTown」で利用されているのが、メタバースです。メタバースとは、英語の「超(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語で、インターネット上で広がる三次元の仮想空間を総称した呼び方。ユーザーはメタバース内で自分の分身となるアバターを操作し、ほかのユーザーと交流したり敵を倒したり、アイテムを揃えるなどして楽しめます。

2000年代に大人気となった仮想空間オンラインゲーム「セカンドライフ」や、2020年に発売されて以降人気を博したNintendo Switch用ソフト「あつまれ どうぶつの森」も、メタバースの一つであるとされています。

XENOTOONは、現実世界と仮想世界がシームレスにつながるメタバースでは、あらゆるエンターテインメントに国境がなくなるとしています。そして、NFTownもこうしたメタバースの特徴を活用して地方活性化を目指すサービスの一つといえるでしょう。XENOTOONは今後、実世界と仮想世界のクロスプラットフォームで、今までにない異種のエンターテイメントをグローバルマーケットに向けて提供していく意向です。

地方創生×NFT

地方創生とNFTをかけ合わせたサービスはNFTownだけではありません。ここでは、NFTを活用した地方創生を目的とする2つのサービスをご紹介します。

「地方創生×新規IP開発」の促進

CryptoGamesは2021年6月21日より、「マーケティング×デジタル×紙」をキーワードにクロスメディアを展開する兵田印刷工芸株式会社のマスコットキャラクター「More」をNFT化し、NFTStudioにて販売しました。

マスコットキャラクター「more」のNFT(出典:CryptoGames株式会社)

CryptoGamesによると、ゆるキャラ(ご当地キャラクター)を活用したマーケティングやIPとのコラボレーションにおける話題性の創出は、地方自治体の価値発掘を促進してきたとのこと。そのため、IP開発におけるNFTの活用は新規性の高いプロモーションの展開につながり、地域振興イベントでのNFT活用などの新たなビジネスモデルの構築が期待されるとしています。

また、従来のNFTビジネスでは価値提供が難しかった「モノ」や「コト」に紐づいた体験により新たな商品設計が可能になることから、「地方創生×新規IP開発」の促進に向けてもNFTの活用が期待されるといわれています。今後は、各自治体にまつわるアートや写真のような歴史的に重要な記録をNFTとして未来に伝達するなど、人々の生活に根付いた事例を創出することで、より幅広い市場でNFTの定着を目指していく意向です。

NFTを活用した温泉地の地方創生

日本円を対象としたステーブルコイン「JPYC」を発行する日本暗号資産市場株式会社は5月12日、NFTの活用による温泉地の地域活性化を目的とした提携を発表しました。同社と提携したのは次の3社です。

今回の連携に至った経緯として、新型コロナウイルスにより温泉地が受けた影響を挙げました。日本経済は新型コロナウイルスにより深刻な影響を受け、特に観光業は大きく受けた業界の一つであり、「温泉むすめ」で支援を手掛ける全国の温泉地も観光客が激減し、極めて苦しい状況にあるとしています。こうした現状を打破すべく、3社と提携して各企業の持つ資産やノウハウを活かし、NFTを活用した地方創生を推進することになりました。

4社は次のような取り組みを実施していく予定であると公表しています。

  • 温泉地の魅力発信・ファンづくりにおける「温泉むすめ」NFTの活用
  • 前払式支払手段ERC20トークンを活用した観光客誘致・地域活性化

まとめ

地方創生は以前から日本における課題となっていましたが、新型コロナウイルスなどの影響で、課題解決に向けた取り組みの重要性がさらに浮き彫りになりました。2021年に入ってから急速な盛り上がりを見せているNFTの活用により、地方が抱える課題の認知拡大や新たなビジネスモデルの構築ができ、地方創生につながると考えられています。そのため、地方のマスコットキャラクターや文化財などをNFT化する動きが今後加速するかもしれません。

今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。

ニュースカテゴリの最新記事

NFT GUIDEをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む