(この記事は2022年01月02日に作成されました。)
2021年は「NFT」というワードを知る人が増えた一年だったのではないでしょうか。
2021年のNFTランキングはこちらから ↓
一枚のNFTアートが数億円の値段で取引されたり、著名人のツイートが高額な値段で取引されたりして多くの人々の関心を集めました。
一方で「聞いたことはあるけど、購入したり利用したりしたことはない」
という人々のほうが大多数なのも事実でしょう。2022年は急激に関心を集めたNFTが今後広く普及されていくのかを決める重要な一年になりそうです。
今回は、2021年のNFTトレンドを追って記事を書き続けてきた筆者が2022年に流行しそうなNFTをいくつかジャンル分けして予想していきたいと思います。
2021年注目のNFTとは?NFTライターが予想してみた
昨年の取引量としては、「アクシーインフィニティ」などのNFTゲーム、そして「クリフトパンクス」や「BYAC(退屈した類人猿)」のNFTアートコレクションが上位を占めていました。
この傾向はしばらく続いていきそうなので、「NFTゲーム」と「NFTコレクション」の2つの視点からそれぞれ注目ポイントをご紹介していきます。
前編である今回は「NFTゲーム」に焦点を当てて解説していきたいと思います。
後編の 「NFTコレクション」 についてはこちらから ↓
2022年注目のNFTゲームとは
2021年NFTで最も多い取引量を出したのがベトナム発のNFTゲーム「アクシーインフィニティ」です。
アクシーインフィニティについて詳しく書いた記事はこちらです ↓
このアクシーインフィニティがここまで、NFTゲームにトップに上がった理由としては以下が考えられます。
・可愛い見た目でそれぞれ一意な特徴を持つキャラクター
・カードゲームのような戦略的なゲーム性
・誰でも簡単に稼ぐことができる「Play to earn(GameFi)」
・経済の困窮している人々でもプレイ可能なスカラーシップ制度
国内での知名度や人気はいまいちですが、主にフィリピンなどの生活が困窮している人たちが多くプレイしています。また、なかなかにやりこみがいのあるゲーム性でありプレイすること自体が苦にはなりません。
このような要素を踏まえて2022年のNFTゲームについて考えていきます。
その① 2022年はPvPタイプのNFTゲームが流行りそう
これまで、仮想通貨やゲーム内で得たトークンは現金化や他の仮想通貨に変換するほか、DEX(分散型取引所)などでステーキングすることによって増やすような使い方しかありませんでした。
そこで、2022年で注目したいのはそのトークンを使って戦略的に奪い合うようなPvPタイプのNFTゲームです。
実際に以下のようなNFTゲームがリリースされて注目されています。
・WOLFGAME
プレイヤーは農場で羊を育てながらWOOLという仮想通貨を得ることができます。
しかし、狼のNFTは羊を襲うことができます。狼NFTで敵プレイヤーのWOOLを奪ったり、取引したりしながら羊と狼を使った新しいタイプのNFTゲームです。
・ウィザード&ドラゴン
ドラゴンとウィザードのNFTを使ってタワーを攻めたり、守ったりしながら#GPという仮想通貨を稼ぐNFTゲームです。
仮想通貨である#GPをステーキングした状態で、ドラゴンを使って攻めて、ウィザードを使って守る。といったゲーム性になっています。
戦略性のあるPvP(プレイヤー対プレイヤー)形式のNFTゲームが流行りそう
国内において2021年にはPCやスマホでプレイできるゲームとしてAmougusという対人ゲームが非常に流行りました。
このように、ゲーマーである人々は対人戦を求めているような傾向も見受けられるためこうしたPvPタイプのNFTゲームは個人的に2022年最注目しています。
その② メタバース系NFTゲーム
2021年にはメタバース内で自分のゲームを作成したり、アバターや建築物を作れる「The sandbox」は高い売り上げを出しました。
「The sandbox」 について詳しく書いた記事はこちらです ↓
仮想現実とNFTとの関連性は非常に大きいです。Facebookがメタに社名変更したように世界的にメタバースへの関心は高いと思われ、今年は飛躍的にメタバースを利用する人たちが増えると考えられます。
特にメタバース内で使用できるアイテムやファッションはNFTと非常に親和性が高いです。
メタバース内でのファッションNFTに注目
ブランド、メーカーの参入により実名のブランドがメタバース内でも流行しそうです。
既にナイキはNFTのアート集団「RTFTK」を買収して、NFTを販売することを発表しています。
RTFKT is now a part of the NIKE, Inc. family. 🌐👁🗨 pic.twitter.com/5egNk9d8wA
— RTFKT Studios (@RTFKTstudios) December 13, 2021
アディダスオリジナルは“ボード エイプ ヨット クラブ(Bored Ape Yacht Club)、ジーマネー (gmoney)、パンクス コミック(PUNKS Comic)の3社と共同開発したNFTコレクション「In to the Metaverse(イントゥザメタバース)」を12月19日にリリースしました。
メタバースNFTゲームの「The sand box」でもこのNFTを使用できます。このように、実際のメーカーやブランドがNFTを販売するケースは非常に増えると思われます。
メタバース内で、ブランドを所有することで現実世界と同じように自分のステータスやブランディングを上げることができるためこのようなブランド系のNFTはファッションとして流行していきそうです。
メタバース内のNFTを持つことは実用性が高い
これまで、ゲーム内のアイテムはいくら貴重であったり苦労して入手したものであってもそのゲームでもサービスが終了してしまったり、ゲーム自体に飽きてしまったならその価値が実質ゼロになります。
しかし、ゲーム内のNFTアイテムは一意な価値を持つため通常のゲームにおけるアイテムより実用性が高いものとなります。
現金化できることや、ほかのゲームで使えるアイテムに変えることもできるため非常に実用性が高いです。
例えば、同じゲームの続編であっても前作のアイテムは引き継げません。
(例えば、「とびだせ どうぶつの森」から「あつまれ どうぶつの森」へアイテムがそのまま引継ぎできないように)
NFTであれば別の仮想通貨に変換するかあるいはそのアイテム自体がそのまま次のゲームへ引き継げたりできるかもしれません。
メタバース内のNFTはそのような問題をクリアしてくれるかもしれない可能性を秘めているといえます。
2022年注目したいNFTゲームについてのまとめ
・トークンを使った戦略性のあるPvP
・メタバース内ファッションNFT
・実用性の高いゲーム内アイテムのNFT
以上が2022年に注目したいNFTゲームの特徴ではないかと個人的に思っています。
一点懸念しないといけないのが、「Play to Earn」という仕組み自体がゲーマーに受け入れられるかどうかという点です。
ゲームは本来、稼ぐことを目的にするのではなく楽しむことを目的にプレイするのがゲーマーの姿です。そのほとんどは稼ぐことを目的にプレイはしていません。
稼ぐことを目的にゲームするのは一部のプロゲーマーくらいなものですが、そのプロゲーマーもそのゲームが好きすぎて気づけばプロゲーマーになっていたパターンはほとんどであると思われます。(これからはプロゲーマーになって稼いだり、名誉を手に入れることを目的にしてプレイする人も増えるかもしれませんが)
そうした面で「ゲームで稼ぐ」というワードそのものが障壁になって、取り込めるユーザを狭めている気もします。
実際、アクシーインフィニティをプレイしている層は、楽しくてより稼げるからを目的にしているように見えます。
稼ぐことを目的にすると楽しくなくなる。という根本的なことを解消するためにもゲームそのものが面白いNFTゲームが増えるといいなあなんて思います。
次回はNFTコレクションの2022年注目予想をしていきますのでそちらもぜひチェックお願いします。
さわかぜ