東京が「トーキョー」になった?有名企業も参入するメタバースから発信される新しい文化の形

東京が「トーキョー」になった?有名企業も参入するメタバースから発信される新しい文化の形

NFTを活用したオープンメタバース上の文化都市「メタトーキョー」で、世界最大の取引量を誇るNFTアートなどが展示されるプロジェクトが実施されました。この記事では、「メタトーキョー」の詳細や、メタバース事業にすでに参入している有名企業をご紹介します。

東京が「トーキョー」になって世界とつながる

「メタトーキョー」を発表したのは、アソビシステム株式会社とParadeAll株式会社、Fracton Ventures株式会社の3社。メタトーキョーでは、以下のビジョンを実現する意向です。

  • デジタル上の文化都市の創出とエリア開発
  • NFTを活用した日本からグローバルへのデジタル文化輸出
  • TOKYO発のグローバル・クリエイター・エコノミーをWeb3.0で実現

これらのビジョンを実現するため、今後グローバル向けに、さまざまなプロジェクトを立ち上げていくとしています。

メタバース上の土地にイベント会場ができる

プロジェクトの第一弾として、NFTを活用したオープンメタバースの筆頭である「Decentraland」に購入したメタトーキョー用の土地の一部に、ポップアップミュージアム「SPACE by MetaTokyo」をオープン。2021年11月18日〜12月10日にかけて、SPACE by MetaTokyoを会場としてイベントが実施されました。

SPACE by MetaTokyo(出典:アソビシステム)

メタバースならではの建造物「SPACE by MetaTokyo」

SPACE by MetaTokyoは、メタバース/VRクリエイターとして国内外で活躍しているMISOSHITA氏が手掛けたもの。内外装は、NFTアートのプロジェクトとして最大の取引量(11月15日時点)を誇る「Generativemasks」などとコラボしたデザインにすることで、メタバースならではの建造物になったとのことです。

Generativemasks(出典:アソビシステム)

SPACE by MetaTokyoでは、数々の「ジェネラティブアート」が展示されました。ジェネラティブアートとは、コンピュータソフトウェアを使い、コードによって生成されるアート作品のこと。作品には、コードによって生成された1万点のユニークなジェネラティブアート作品「Generativemasks」に加えて、国内のクリエイティブコーダーによるジェネラティブアート作品のNFTを販売するNFTコレクション「function draw()」、キューブ型のお寿司「すしぴこ(Sushipico)」などが含まれます。

function draw()(出典:アソビシステム)

プロジェクトと並行して「MetaTokyo Pass」も販売

SPACE by MetaTokyoと並行して、デジタル・パスポートとして機能するNFT「MetaTokyo Pass」も販売されました。MetaTokyo Passの所有者には今後、次のような様々なアクティビティや特典を提供するとしています。

  • 今後メタトーキョー内で行われる限定イベント
  • メタトーキョーの制限エリアへの入場
  • 所有しているクリエイターへのワークショップ
MetaTokyo Pass(出典:アソビシステム)

アソビシステムによると、MetaTokyo PassをNFTとして販売することで、所有者をブロックチェーン上で確実に追跡できるとのこと。また、NFT保有者を認証することで、特定のMetaTokyo Pass保有者限定のサービスも提供できるため、より厳格なパスポートとしての機能を持つといいます。

メタバースは新たな文化の発信拠点になっていく

現在、国内外の有名企業が続々とメタバース事業に参入しています。特定の都市と連携させた「メタトーキョー」のようなプロジェクトを立ち上げている企業はまだ多くありませんが、有名企業が今後こうしたプロジェクトを立ち上げれば、メタバースが新たな文化の発信拠点になっていく可能性もあるでしょう。

ここでは、メタバース事業に参入した3つの有名企業をご紹介します。

Metaの「Horizon Workrooms」

旧フェイスブックから社名を変更したMeta(メタ)は、会議専用アプリ「Horizon Workrooms」を開発。zoomやGoogle Meetなどのリモート会議ツールは以前からありますが、これらのツールでは、デスクトップやキーボードなどは、現実世界に存在。これに対してHorizon Workroomsでは、デスクトップやキーボードもVR空間に存在します。

Horizon Workrooms公式サイト

ヘッドマウントディスプレイを装着してVR空間に入ると、アバターで会議ができるようになっています。現実世界とは別に「もう一つのオフィス」が存在し、そのなかでオフィスワークができるような仕組みになっているのが特徴です。

マイクロソフトの「Mesh for Microsoft Teams」

マイクロソフトは、リモート会議ツールTeamsを拡張したメタバースサービス「Mesh for Microsoft Teams」を開発しました。2022年前半に順次提供し、「2億5,000万ユーザーにリモートワークやハイブリッドワークの新しいアプローチを示す」としています。

Mesh for Microsoft Teams

Mesh for Microsoft Teamsでは、アバターを使ってホワイトボードの前でプレゼンをしたり、他のアバターたちと会議をしたりすることが可能。マイクロソフトはMesh for Microsoft Teamsを「メタバースの入口」と表現しており、このサービスにかなり力を入れていることがうかがえます。

KDDIの「バーチャル渋谷」

メタバース事業に参入しているのは、海外企業だけではありません。KDDI株式会社は、2020年5月、東京・渋谷の街をメタバース上で再現した渋谷区公認の「バーチャル渋谷」を公開しました。これまでにハロウィーンのイベント「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス」や、サッカー日本代表戦のパブリックビューイング、総勢100組のアーティストによる音楽ライブなどのイベントを開催してきました。

また2021年11月26日からは、KDDIは一般社団法人渋谷未来デザインと提携し、「バーチャル渋谷」をイベント会場として1日貸し切り利用可能な「バーチャル渋谷・1DAYイベントパッケージ」の提供を開始しました。

(出典:KDDI)

このパッケージは、インターネット上に構成される仮想空間でのイベント開催時に必要な演出・配信・出演者のオリジナルアバター作成をパッケージ化し、音楽ライブやスポーツ観戦などのイベント主催者向けにワンストップで提供するものです。これにより、新たなイベント開催手段として都市連動型メタバースを提案していき、日本発のメタバースの発展と実在都市の価値向上を目指していくとしています。

まとめ

「メタトーキョー」では、ポップアップミュージアム「SPACE by MetaTokyo」がオープンし、世界のどこにいてもメタバース上のコンテンツにアクセスできるようになっています。こうした都市連動型のプロジェクトを立ち上げる企業が増えれば、今後メタバースが、新たな文化の発信拠点になっていくかもしれません。

今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。

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