NFTが流行らない理由とは? 秘めた潜在能力を活かすための方法を模索する

NFTが流行らない理由とは? 秘めた潜在能力を活かすための方法を模索する

NFTの盛り上がりが落ち着きを見せ、「NFTは流行らない」と言われることも珍しくありません。この記事では、そのように言われる理由と、NFTが持つ秘めた潜在能力を活かすための方法についてご紹介します。

NFTが流行らない理由は理解が難しいから?

NFTが流行らないとされる理由の一つとして、NFTやブロックチェーンへの正しい理解がまだまだ浸透していないことが挙げられます。

NFT=投資のイメージ

NFTについては、デジタルアートなどのデジタル資産が高値で取引されたというニュースを目にすることが多いため、「NFT=投資」のイメージを持たれることも少なくありません。しかし、NFTの本質は、デジタル資産の価値を証明することです。

ブロックチェーンへの理解がまだまだ浸透していない

NFTを支えるブロックチェーンへの理解も、まだまだ浸透していません。

ブロックチェーンは、仲介を必要とせず人と人が直接コミュニケーションできるP2P(Peer to Peer)技術を使った、分散型台帳技術です。この技術により、管理者がいなくてもあらゆるデータを管理することが可能になりました。

ブロックチェーンに対して、「暗号資産などを支えるインフラ」というイメージを持つ人も少なくありません。しかし、それだけでなく、ブロックチェーンを活用することで企業におけるコスト低減や効率化、新しいビジネスモデルの創出なども実現できます。そのため、「幅広い業界のDXを支えるインフラ」としても機能し得るのですが、この理解はまだ深まっていません。

DXのハードルもNFTのハードルも高い

たとえNFTやブロックチェーンへの理解が深まっていたとしても、実際にDXやNFTを推進するのは簡単ではなく、ハードルの高いものになっています。ここでは、その理由について詳しく見ていきましょう。

DXのハードルが高い理由

そもそもDXでの取り組みは、目的別に次の3つに分類されます。

  1. 業務改善:間接業務の業務効率化やワークスタイル変革など、企業の本来業務の支援に向けた取り組み
  2. プロセスイノベーション:本来業務のプロセス革新に向けた取り組み
  3. プロダクトイノベーション:本来業務での新商品や提供形態の変革により、新ビジネスの創出を目指す取り組み

これら3つのうち、1番目の「業務改善」に優先的に取り組む企業は多くなっています。投資対効果や比較的高く、ほかの2つと比べても即効性があるからです。ただ、DX推進体制が十分に整えられていないことが原因で、DXの本質である「プロセスイノベーション」や「プロダクトイノベーション」までは取り組めていない企業も多いのです。

NFTのハードルが高い理由

NFTについては、企業が収益を上げるためのビジネスモデルの一つとして、「NFT取引のプラットフォーム開設」が挙げられます。いわゆる「NFTマーケットプレイス」というプラットフォームのことを指し、NFTマーケットプレイスでは、手数料を主な収益源としています。

今後NFTの価値が高まるにつれて、収益アップも期待できます。しかし、NFTマーケットプレイスの構築・運営は、既存マーケットプレイスでのNFTの出品・販売に比べると、はるかに参入のハードルが高いものとなっているのです。

企業はもっとNFTを活用するべき

このようにNFTの活用においては課題もあります。しかし、NFTは国や地域、プラットフォームに関係なく取引ができ、ジャンルを問わずにデジタルデータや資産を取引できるので、企業はもっとNFTを活用するべきです。

実際に、NFTを使って新規事業を創出している企業もあります。以下で、その事例をご紹介します。

NFT印鑑の開発

はんこの老舗メーカーであるシヤチハタ株式会社は、日本初となる「NFT印鑑」を開発することを発表しました。

これまでの電子契約サービスでは、書類に印影が表示されない場合もあり、書類が締結済みか分からないというデジタル時代特有の悩みが生じていました。そのため、押印の痕跡が一目で分かる機能や、押印者の本人性を証明する機能を備えた「デジタル時代の新たな印影(印鑑)」の需要が高まっています。

印影データをNFT化して押印者情報とデジタル印鑑を結び付けることで、NFT印鑑が押印された電子文書には、印鑑保有者およびNFT化された印影の情報が刻印されます。押印の記録は改ざんできないブロックチェーンに記録されるため、「いつ、誰が、何に押印したのか」という証拠を確実に残せます。

漫画の原画をデジタルデータとして保管・管理するためのNFT活用

総合出版企業の株式会社集英社は、漫画の原画を後世に引き継ぐためにNFT技術の活用を開始しました。

漫画の原画には、「経年劣化に弱い」「原画を収蔵するスペースに、いつか限界が来る」などの特徴があります。しかし、NFT技術を使えば、原画を高精度でスキャンしたものを唯一無二のデジタルデータとしいて保管・管理できます。このデジタルデータは、国内外の公共機関・コレクターに対し、販売だけでなく貸出も行っています。

「NFT=投資」と理解されることも多いNFTですが、これらの例にあるように、販売以外への活用も積極的に行われています。

まとめ

NFTの実用化や、NFTの活用によるDX推進には、まだ課題があるのは事実です。しかし、NFTには多くのメリット(潜在能力)があるため、そのメリットを活かした取り組みを進めていけば、NFTが定着する未来も遠くないかもしれません。

今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。

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