NFTと連携したSNSサービスが続々と登場しており、NFTの新しい使い方に注目が集まっています。この記事では、InstagramやAdobeなどの大手SNSによるNFT業界参入の動きや、NFTが具体的にどのように使われているのかを解説します。
NFTがInstagramにも導入される
Meta(メタ、旧フェイスブック)の創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグ氏は3月、今後数カ月のうちに、InstagramにNFTを導入する予定であることを明らかにしました。詳細はあまり語られませんでしたが、Instagramチームが技術的な課題を解決すれば、NFTの利用が可能になることを示唆。ユーザーが持っているNFTをInstagramに取り込めるようにするだけでなく、InstagramでNFTの鋳造もできるようにしたいと述べました。
2021年12月には、Instagramの責任者であるアダム・モッセリ氏が、より多くの人にNFTの技術を提供することを目標に、NFTを積極的に探求していることを認めていました。
NFTが身近な存在になる日は近いのか
Instagramも参入の動きを見せるNFT業界。果たしてNFTが身近な存在になる日は近いのでしょうか?ここでは、「クリエイターとNFT」「SNSとNFT」という2つの関係性に着目して、NFTがどのように活用されてきたのかをご紹介します。
クリエイターとNFT
NFTは、コレクション目的で取引するだけでなく、クリエイターを支援する目的でも活用されています。その事例として挙げられるのが、米Adobe(アドビ)とNFT Studioです。
アドビも参入しているNFT
アドビは、クリエイターが自身のNFT作品を公開できるSNS「Behance(ビハンス)」を運営しています。ビハンスでは、2021年10月よりイーサリアムブロックチェーンのNFTに対応。3月8日には、Solana(ソラナ)ブロックチェーンのNFTもビハンスに対応したことを発表しました。
その後、Polygon(ポリゴン)ブロックチェーンのNFTが対応したことも発表。今回のポリゴン対応により、メタマスクなどのWeb3ウォレットをビハンスに接続すると、ポリゴンで発行したNFTをプロフィールに掲載できるようになるとのことです。
手軽にNFTを作れるNFT Studio
ブロックチェーンゲームやNFTサービスを開発するCryptoGamesは、イラストレーターが自身の作品をNFTアートとして販売できるサービス「NFT Studio」を2021年3月にリリースしました。
NFT Studioでは、ブロックチェーンの特性を生かし、2次流通取引が行われた場合は、取引手数料の一部がイラストレーターに永続的に還元される仕組みを採用しています。
ゲームで稼ぐNFT
ゲームを通じて稼げる「NFTゲーム」も盛り上がりを見せています。ブロックチェーン技術を応用して作られたNFTゲームでは、ゲーム内外のNFTマーケットプレイスにて、ゲームで手に入れたり作ったりしたアイテムを自由に取引できます。万が一ゲームサービスが修了してしまってもゲーム内のアイテムは残り、NFTマーケットプレイスで販売できる点も、NFTゲームの特徴です。
人気のNFTゲームとして、ゲーム内で作ったアイテムを販売できる「The SandBox(サンドボックス)」、NFTのモンスターやアイテムを取引できる「Axie Infinity」、トレーディングカードをNFTとして取引できる「Crypto Spells」などが挙げられます。
SNSとNFT
NFTと連携したSNSも誕生しています。ここでは、2つの事例を見ていきましょう。
Twitterは2022年初め、有料サービス「Twitter Blue」のiOS版で、プロフィール画像としてNFTを選べるようにしたことを発表しました。現在利用できるのはiOS版だけですが、新しい六角形のプロフィール写真は、どのプラットフォームであってもTwitterユーザー全員に表示されます。
日本では「Twitter Blue」の提供が開始されていませんが、NFTのプロフィール画像を設定する際は、今までと同様にプロフィールの設定画面に行きます。すると、画像の代わりにNFTを選べるオプションが表示される仕組みで、そこで自分のウォレットもつなぐことになります。
なお、NFTのプロフィール画像が設定されると、閲覧したユーザーが画像をタップすることで、そのNFTの来歴などを詳しく知ることができるようです。
TikTok
TikTok(ティックトック)もNFT市場に参入することを2021年3月に発表。リル・ナズ・X氏やグリムズ氏など、トップクリエイターのコンテンツを活用し、独自のNFT作品を同年10月に公開しました。
ブロックチェーンを活用したNFT業界では、取引における多大な電力消費や環境負荷も課題になっています。そこでTikTokは、イーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューション「Immutable X(イミュータブル・エックス)」を活用した専用サイトでNFTを公開。これにより、取引されたNFTは100%カーボンニュートラルとのことです。
NFTを入手するハードルは下がっていく
NFTと連携したSNSだけでなく、ユーザーにとってNFTを入手するハードルが下がるようなサービスも続々と登場しています。
クレジット決済で買えるNFTサービス
Instagram、Twitterの投稿をNFTとして売買できるNFTマーケットプレイス「coduck(コダック)」では、クレジットカード決済が可能で、日本円で売買できます。OpenseaなどのNFTマーケットプレイスでは仮想通貨での取引がほとんどで、仮想通貨の知識がない方にとってはハードルの高いものとなっています。こうした課題を解決するべく、コダックではウォレットがなくても取引ができるようにしています。
コダックを運営するのは、クリエイティブ制作ツールCLIPBIRDを開発する株式会社JampRock。Instagram、Twitterの投稿をNFTとして販売しても、SNS投稿の著作権はそのまま自分に残り、消滅しません。
無料で配布されるNFTも多い
無料で配布されるNFTも少なくありません。NFTマーケットプレイス事業やバーチャル空間を開発するSuishow株式会社は、メタバース内の3Dアイテムに特化したNFTマーケットプレイス「MetaMart」のリリースに先立ち、限定NFTの無料配布キャンペーンを2021年2月に実施しました。
このキャンペーンでは、キャンペーンサイトから応募した人全員にMetaMartオリジナルのメダルNFTを配布。メダルには下記の4種類があり、これらのうちいずれかが配布されたとのことです。
まとめ
これまでにNFT業界では、クリエイターやインフルエンサーの収益化を支援するプラットフォームなどが登場してきましたが、最近ではNFTと連携したSNSサービスが続々と登場しています。加えて、クレジットカード決済ができたり、無料配布キャンペーンを行ったりするNFTマーケットプレイスも登場しているため、今後NFTが身近な存在になっていく可能性があるでしょう。
今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。