「Crabada」や「Impostors Genesis」、「Axie Infinity (アクシー・インフィニティ)」などNFTの売上ランキングにもすっかり常連となったNFTゲーム市場ですが、大手ゲーム会社が参入を発表するなど、新たな動きが見られています。
この記事では、NFTゲーム市場の動きやNFTゲームを行う上での注意点などについて解説していきます。
大手ゲーム会社もNFTゲームに参入!
ゲームを楽しみながら稼ぐことが出来ると人気のNFTゲーム。多くのゲーム会社が参入を発表していますが、最近ではこれまでコンシューマーゲームを中心に制作を行ってきた大手ゲーム会社の参入も多く見られるようになりました。
Ubisoftが「Cross the Ages」に出資へ
「アサシン クリード」や「ウォッチドッグス」「ファークライ」など、数々の有名人気ゲームを手がけるフランスの大手ゲームパブリッシャー「Ubisoft(ユービーアイソフト」も、NFTゲームへの出資を発表した企業のひとつです。
Ubisoftは、香港を拠点とする「Animoca Brands(アニモカブランズ)」とNFTカードゲーム「Cross the Ages(クロスザエイジ)」にシードラウンドで約15億円を出資したとしています。「Cross the Ages」は無料で読むことの出来る同名のファ小説を元とするファンタジーとSFがテーマのデジタルカードゲーム。基本プレイは無料であり、カードをNFTのコレクションとして扱います。今後はデジタルカードを物理的なカードに変換するオプションも用意される他、分散型金融(DeFi)要素やメタバース要素なども盛り込まれる予定です。
また、同社ではメタバース系NFTゲーム「The Sandbox(サンドボックス)」ともパートナーシップを締結しました。「The Sandbox」のメタバースでUbisoftのIPを利用出来るのはこれまでの作品ファンには嬉しいものでしょう。今後は同社の著名なキャラクター「Rabbids」もメタバースで利用できるようにする計画や不動産の購入なども検討されているようです。
GlanceがインドのGambitを買収
Googleが投資するインド企業「Glance(グランス)」もNFT推進に向けて積極的に行動を起こしています。
同社ではインドの「Gambit(ギャンビット)を買収し、モバイルゲーム製品の強化やユーザーにNFTの提供開始を目指すとしています。この他にも小規模な企業を買収し、自社のプラットフォームを拡大しているGlanceがNFT推進に注力することでこれまでNFTゲームに触れてこなかったユーザー層が参加してくることも予想されます。
中国テンセントもNFTゲームに出資へ
中国のネット大手である「テンセント(騰訊)」もオーストラリアのスタートアップ「Immutable(イミュータブル)」に参加しています。
テンセントは自社開発でのNFT商品としてNFT取引プラットフォーム「Huanhe(幻核)」もリリースしていますが、中国の規制によりそのアプローチは控えめ。今後の動きに注目です。
貧困層を助けるNFTゲーム
ゲーム遊びながら稼ぐことの出来るNFTゲームは、フィリピンなどの国々においては貧困層の若者が稼ぐ場という一面も持ち合わせています。
韓国のオンラインゲーム会社である「GRAVITY(グラヴィティ)」では、2022年にリリース予定の「Ragnarok Labyrinth」の事前登録を東南アジアの一部の国において開始しました。
NFTゲームで月に数千ドルを得て貧困から抜け出す人々はこれからもますます増えていくでしょう。
アクシー・インフィニティが稼ぎの場に
総売上が40億ドルを超えるアクシー・インフィニティでは、エコシステムも発展し続けています。仕事として取り組む人も増えており、融資やマネジメントが行われ、単なるゲームや副業の域を超え、ビジネスとして成り立つようになってきていると言えるでしょう。
中でも活発なのがフィリピン市場で、アクシー・インフィニティのデイリー・アクティブユーザー約250万人のうち40〜50%はフィリピンの人々が占めている状況です。ゲームでの競争コストが上昇する中、プレイヤーはマネージャーや銀行家から金銭的な支援を得るなど、交流やゲームを楽しみながら稼いでいます。
韓国KraftonもP2Eゲーム参入
「PUBG」などを手がける韓国の大手ゲーム会社「Krafton(クラフトン)」もブロックチェーンスタートアップの「Solana Labs(ソラナ・ラボ)」との提携し、P2E (Play-to -Earn型)ゲームを開発すると発表しました。
Solana Labsは分散型金融(DeFi)プロジェクトでの利用が増えているSolanaブロックチェーンの開発企業。暗号通貨取引所FTXの創業者であるサム・バンクマン・フリード氏といった面々から支援を受け、イーサリウムに対抗しようとしています。
プレイを通じて報酬を得ることの出来るP2Eゲームの人気はこれからも高まっていくとみられ、アクシー・インフィニティの出資者の一人であるアレクシス・オハニアン氏は、P2Eゲームは5年以内にゲーム市場の90%以上を占めるようになるだろうと話しています。
ハッキング被害が今後増えてくる?
様々な企業が参入し、盛り上がりを見せるNFTゲーム業界ですが、だからこそ気をつけなければいけない事もあります。
例えば、アクシー・インフィニティ専用のレイヤー2ソリューションである「Ronin Network(ロニン・ネットワーク)」は、バリデーターノードの不正アクセスによって770億円以上を喪ったと発表しました。
2021年8月にもDeFiプロジェクトの「Poly Network」がハッキングされ、その当時では暗号資産史上最大の6億1100万ドルが流出するという事件が起きましたが、Ronin Networkでの被害はこれを上回る形となります。
自身の資産を守るための行動について
NFTゲームは魅力的な側面が多いものの、インターネットを介して取引が行われる以上、上記のようなハッキングなどへの対策は必要です。
もちろん、ゲームのサーバー自体がハッキングされてしまうという事態においていえば、ユーザーに出来ることは多くありません。自身の資産を守るために、ウォレットやデータの管理をきちんと行うのはいうまでもありませんが、暗号資産の分散管理など、出来ることはしていきましょう。
またゲームというプラットフォームである以上、ユーザーが離れてしまい、稼げなくなる可能性は常にあることを忘れてはいけません。例えばアクシー・インフィニティでは、経済の基盤を新規ユーザーの増加に置いています。新規ユーザーが3体のアクシーを購入することでゲーム内の経済が回る仕組みとなっているため、人気が落ちてしまい、初期費用が高くなりすぎると、別のP2Eゲームにユーザーが移動してしまうという事もありえます。稼ぐことを目的としてNFTゲームを行う場合は、状況を慎重に見極めることが非常に重要です。
まとめ
コンシューマーゲームやスマホゲームで人気を博した大手ゲームパブリッシャーが次々と参加し、ユーザーも増えているNFTゲーム業界。これからも様々な動きが起こることが予想されます。今後の動向に注目です。
今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。