トレーディングカードのNFTは投機対象になる？高額商品とNFTの関連性とは

アニメのキャラクターなどが印刷されたトレーディングカードをNFT化する動きが、加速しています。この記事では、NFT化されたトレーディングカードの取引事例や、トレーディングカードをNFTとして取引するメリット、注意点などを解説します。ぜひ参考にしてください。

トレーディングカードNFT市場の登場

トレーディングカードゲーム市場は成長を続けており、スポーツカード市場だけでも、2027年までに600億ドルを超える規模に成長すると見込まれています。

そんな中、実物のトレーディングカードを担保にNFTを発行し、オンライン取引される事例が増えてきています。

ここでは、トレーディングカードNFTが取引された事例を見ていきましょう。

人気YouTuberのLogan Paul氏は2022年7月、「ピカチュウイラストレーターカード」を歴代最高額となる527万5,000ドル（当時およそ7億円）で購入。

その後カードをNFT化し、自身が立ち上げたNFTマーケットプレイスにて共同所有権を販売し、大きな注目を集めました。

株式会社YAMAKOMA ASSET BANKは10月、ポケモンカードや遊戯王OCGとブロックチェーンの融合による、日本初の「ヴィンテージカードジャパンNFTマーケット（仮）」を立ち上げることを発表しました。

株式会社YAMAKOMA ASSET BANKは、ポケモンカードや遊戯王OCGの初期カードを取り揃えたECサイトの運営などを行う企業です。

「ヴィンテージカードジャパンNFTマーケット（仮）」では、トレーディングカードNFTが販売されます。トレーディングカードNFTを購入すると、所有権と真贋性が証明され、そのNFTに紐づいた大人気キャラクタートレーディングカードの実物をいつでも受け取れるとしています。

現実世界に存在するモノのトークン化が進む中、今回のトレーディングカードNFTは、モノとデジタルが融合した商品として発売するとのことです。

トランプ前大統領は2022年12月、自分をスーパーヒーローや宇宙飛行士などに模したトレーディングカードを発売することを発表し、話題となりました。

発売されたのはNFT化されたデジタルトレーディングカードで、1枚あたり99ドル（およそ1万4,000円）で販売されました。

このNFTには、トランプ氏とゴルフができる権利などが当たる抽選がついており、45枚購入すればトランプ氏との夕食会にも参加できることが発表されていました。

NFTトレーディングカードには、どのような魅力があるのでしょうか。

具体的には、取引に伴う紛失・損傷のリスクを最小限に抑えられるというメリットがあります。

というのも、従来のような物理的な取引では、商品のすり替えや損傷といった課題がついて回っていました。しかし、トレーディングカードをNFT化して取引することで、そうした課題の解消が期待されています。

さらに、NFTトレーディングカードが何らかの形で盗まれた場合、盗難品を特定するのが容易になるという点も期待されています。

こうした魅力のあるNFTトレーディングカードですが、注意点もあります。

それは、実物のトレーディングカードをどのように保管するかという点です。

トレーディングカードをNFTとして取引する場合、実物のカードは信頼性の高い保管庫で保管する必要があります。

実際にEC大手のイーベイは、高額のトレーディングカードを大型の倉庫で保管するサービスに参入しました。このように早くも参入する企業もありますが、完全に安全といえる保管体制は、まだ確立されていません。

また、保管に関する手数料の懸念点もあります。

現時点ではトレーディングカードゲームのトークン化を促進すべく、NFTの保管に関する手数料を無料としているマーケットプレイスが存在します。しかし、今後NFTトレーディングカードが徐々に浸透していくにつれ、ユーザーが手数料を負担することになるかもしれません。

高額のトレーディングカードをNFT化することで、盗難や損傷のリスクを抑えた取引ができることが期待されています。実際にこうした点に魅力を感じ、NFTトレーディングカード事業に参入する企業やクリエイターも増えてきており、このような動きがさらに加速する可能性があるでしょう。

今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。