NFTとWeb3.0について理解しよう。人気ファッションブランドも参入でますます盛り上がる!

NFTとWeb3.0について理解しよう。人気ファッションブランドも参入でますます盛り上がる!

次世代インターネットに関する新たな概念として注目されるWeb3.0に関するサミット「NFT Summit Tokyo」が、7月に開催されました。3月に続く第2弾として開催された同サミットには、国内外から約70人のWeb 3.0の有識者が集まり、NFTやブロックチェーンなどに関する複数のセッションに登壇し、盛り上がりを見せました。

この記事では、NFTとWeb3.0の関係性や、NFTとWeb3.0を取り入れた事業を展開している企業について紹介します。

NFTとWeb3.0の関係性

NFTとWeb3.0の関係性を理解する前に、Web3.0とはどのような概念なのかを整理していきましょう。

Web3.0とは

「Web1.0」の時代にはユーザーは情報を閲覧することしかできませんでしたが、現在私たちが利用している「Web2.0」に移行してからは、誰もが気軽に発信できるようになりました。

しかし、Web2.0では問題点も指摘されています。それは、GAFAなどのビッグテック企業がユーザーの情報を集中管理していることです。これにより、ビックテック企業が運営するプラットフォームにより情報が操作される可能性があります。プラットフォームのサーバーがサイバー攻撃などを受けると、これまで投稿してきたコンテンツが消えたり、個人情報が漏洩したりするリスクもあるのです。

そんななか、次世代インターネットに関する新たな概念として注目されているのが「Web3.0」です。Web3.0ではブロックチェーンを活用することで、特定の管理者がいなくても、個人が自らの情報を管理できるようになります。

これにより、Web2.0で問題視されていた「プラットフォームを運営する企業が個人情報を管理すること」や「情報漏洩」のリスクが減らせると考えられているのです。

NFTとWeb3.0の関係性

NFTとWeb3.0には、どのような関係性があるのでしょうか。

非中央集権的なインターネットであるWeb3.0が浸透すると、現在のWeb2.0にメタバース空間が構築されているのと同じように、Web3.0上にもメタバース空間が構築されると考えられます。そしてこのメタバース空間がブロックチェーン上で動作したり、メタバース空間のアイテムや土地が本物であることを証明するためにNFTを活用するケースもあるでしょう。

このように、異なる特徴を持つWeb3.0やNFTが融合したサービスが生まれることで、特定のプラットフォームに依存することなく、唯一無二のデジタルデータを安全に取引できるようになることが期待されています。

人気ファッションブランドのWeb3.0戦略

Web3.0に注目が集まるにつれ、人気ファッションブランドのWeb3.0戦略にも注目が集まっています。ここでは、3つの企業の取り組み事例をご紹介します。

クリスチャン・ラクロワ(CHRISTIAN LACROIX)

フランスのファッションブランドであるクリスチャン・ラクロワ(CHRISTIAN LACROIX)は、メタバースの一つとして注目されるプラットフォーム「
Decentraland(ディセントラランド)」にて、35周年のパーティーを7月に実施しました。

このパーティーでは、メタバース上の不動産デベロッパーでもあるエクスクルーシブル(EXCLUSIBLE)とのパートナーシップにより、マドンナやレディー・ガガが着用した作品を、3Dおよびデジタルで再現して展示しました。

また、クリスチャン・ラクロワはNFTプラットフォーム「オープンシー(OpenSea)」でブランド初のNFTをリリースしています。クリスチャン・ラクロワのスカーフをベースに、350種類のデザインを用意し、合計700のNFTを発売しました。

クリスチャン・ラクロワにおけるNFTの展開は、同ブランドをWeb3.0に進出させるための構想の一環であるとしています。クリスチャン・ラクロワの最高経営責任者(CEO)であるNicolas Topiol氏は、Web3.0への進出は簡単に利益を出すためのものではなく、メタバースという新しい世界を学び、そのなかでどのようにブランドを表現し、ブランドを知らない人にアピールするかを模索することが目的であると強調しています。

ラコステ(LACOSTE)

フランスのファッションスポーツブランドであるラコステは6月、WEB3エクスペリエンス「UNDW3(アンダーウォーター)」の立ち上げを発表しました。UNDW3では、ラコステのオーナーになる手段をコミュニティメンバーに提供し、ブランドとファンとの体験を一新するのが狙いです。

2022年6月14日より、第1弾のNFTとして水面に顔を出しているワニの画像を1個あたり0.08 ETHで1万1,212個を特設ページにて販売しました。「11212」は、ブランド創始者であるルネ・ラコステが開発したブランドを代表するポロシャツ「L1212」にちなんだ数字です。

(出典:LACOSTE)

コレクターがこのNFTを所有すると、長期にわたる協働コミュニティであるラコステWEB3ユニバースへのアクセス権が付与されます。コレクターは先駆的なエコシステムにアクセスでき、コレクター限定の共同開発商品など、ラコステの世界をデジタルと現実世界の両方で体験できる特典を得られる仕組みです。

プロジェクトの始動に先立って6月6日立ち上げられた専用Discordサーバーは、わずか48時間で3万人を超える登録者を集めました。UNDW3はラコステのWEB3での展開の第1段階で、今後数シーズンにわたり活動を継続していく予定だとしています。

グッチ

グッチは2021年3月、メタバースのアバター向けのデジタルスニーカーを発売しました。デジタルスニーカーは、グッチの公式アプリに新設されたスニーカー売り場で購入が可能です。このスニーカーはNFTではなく、VRChatとRobloxで利用できるスキンと呼ばれる3Dアイテムでした。

2021年5月には、ゲーミングプラットフォームのRoblox(ロブロックス)上で、バーチャルクー間「Gucci Garden」を2週間限定でリリースし、本格的にWeb3.0に参入しました。この空間内ではマネキンに変身したアバターが自由に探検することができ、アバター自体がユニークなデジタルアート作品になります。Gucci Gardenのために用意された限定アイテムを、アバターショップで入手することもできました。

(出典:Gucci)

NFTを禁止したMojang Studios

このようにNFTやWeb3.0に本格的に参入する企業が増える一方で、NFTを禁止する企業もあります。その企業が、人気ゲーム「マインクラフト」の運営元であるMojang Studios(Microsoft傘下)です。

Mojang Studiosは7月、公にNFTを採用しないことを宣言しました。ゲームとNFT、Web3.0の親和性を十分に検証したうえで、このような結論を導き出したと考えられます。

NFTを採用しない理由について、Mojang Studiosは「NFTを持っている者と持っていない者にユーザーを分ける」「NFTに関する投機的な価格設定と投資の考え方は、ゲームのプレイから焦点を遠ざけ、利益追求を助長し、プレイヤーの長期的な喜びと成功とは矛盾している」と言及しています。

NFTの親和性とクリエイターの考え方

ゲームなどのコンテンツとNFT、Web3.0との親和性を考えたうえで、NFTに参入するかどうかを決断することは重要です。それに加えて、クリエイターに利益を還元する方法についても、慎重に議論する必要があります。

なぜなら、第三者が許可なくNFTを作ることで、クリエイターに利益が還元されないリスクが指摘されているからです。たとえばゲーム業界では、第三者がゲームを改造して許可なくNFTを作った場合、運営元から知的財産権(IP)およびIPのコントロールが奪われてしまいます。

実際にNFTマーケットプレイスにおいて、第三者がクリエイターの許可なくNFTを鋳造し、販売したことも報じられています。このとき、クリエイターとの間で利益を共有する取り決めはされていなかったとのことです。

このように、第三者がNFTを鋳造するリスクを踏まえたうえで、クリエイターにどのように利益を還元していくかは議論しなければいけない問題です。

まとめ

NFTやWeb3.0が融合したサービスが生まれることで、特定のプラットフォームに依存することなく、唯一無二のデジタルデータを安全に取引できるようになることが期待されています。特に最近では、人気ファッションブランドの取り組みも目立つようになりました。NFTと親和性が高いと考えられているファッション業界において、Web3.0を活用する動きは加速していくでしょう。

今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。

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