PolygonがColexionへ投資、インドのNFTマーケットは規制のなか着々と進化中

PolygonがColexionへ投資、インドのNFTマーケットは規制のなか着々と進化中

「Ethereum(イーサリアム)」が抱える、ユーザー過多による処理遅延や手数料高騰といったスケーラビリティ問題を解決するために作られたプロジェクト「Plygon(ポリゴン)」は、NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)マーケットプレイス「Colexion」への投資を行いました。

この記事では、今回の投資の詳細やインドでのNFT情勢について解説していきます。

Polygon公式サイト

PolygonがColexionへ投資を行う

アジア最大級のNFTマーケットであるColexionへの投資を行ったPlygon。Plygonは今回のColexionへの投資により、インドでのNFT普及の促進を目指したいようです。Polygonはこの試みにより、インドのNFTユーザーがエコシステムを利用し、より早く、より低い手数料でNFTの取引が可能になると述べています。
NFT交換用のダッシュボードやツールが用意され、様々なアーティストやタレントが盗難や偽造などの心配のないプラットフォームでユーザーによるシームレスな購入や造幣体験といったメリットの提供が可能になるとのこと。
開発者に対しても、スケーラブルな分散型アプリケーション作成のためのツールを提供。プラットフォームのパフォーマンスとユーザー体験に焦点を当てつつ、セキュリティ上の懸念も解決しながら多様なニーズに応える用意があるようです。

Colexion公式サイト

Polygonによれば、すでにこのポータルでは多くの有名人やスポーツ選手がサインアップし、独自のNFTを立ち上げているとのこと。

Polygonの共同創業者兼最高業務責任者であるSandeep Nailwal氏は、今回の出資において「NFT市場に変革をもたらすことが主な目的である」と述べています。PolygonがNFTのセキュリティと所有権の透明性を担保しつつ、ColexionがNFTに相応しい価値を与えることで、アーティストやファンが信頼できるプラットフォームで交流や取引を行える環境が整うのは、市場においても魅力と言えるでしょう。

インドのNFTはまだまだ規制の真っ只中

PolygonがColexionへ投資を行った背景には、インドがNFT採用において規制のただ中にあることが挙げられます。

NFTが話題となりインドもその時流に乗っていますが、インドでのNFTの将来性と取引の有効性には懐疑的な態度も出ています。
その原因のひとつといえるのが、インド政府の暗号通貨の合法性が不透明であることです。

インドでは、2018年4月にインド準備銀行(RBI)が仮想通貨を扱う事業体との取引停止やサービス提供を止める回覧を発行しました。その後、2020年にインドの最高裁判所が2018年の回覧を取り下げ、2021年初頭には財務大臣がブロックチェーンやビットコイン(BTC)、暗号通貨の実験を可能とする一方で、公式デジタル通貨法案による暗号通貨の規制や禁止といった方向性も打ち出しています。

現時点では明確に暗号通貨の取引や投資を規制する法律や政策はないものの、インドにおけるNFT将来に不安を抱く投資家や業者は多いでしょう。

インド最大のデジタル資産取引所「WazirX」

しかしながら、インターネットにおける暗号通貨取引の禁止は難しく、全面的な禁止は不可能といえます。インド出身のVignesh Sundaresan氏が、米国人アーティストBeeple氏のNFTアート「Everydays: The First 5,000 Days」を史上最高価格の6930万ドル(約75億円)で落札したのも話題となりました。

世界中でのNFTの人気の高まりを受け、2021年4月にはインド最大のデジタル資産取引所である「WazirX」がインドや南アジア諸国の人気アーティストや写真家などの様々なアート作品を取り扱う「WazirXマーケットプレイス」も発表しました。

WazirXマーケットプレイスは現時点ではベータ版となり、「オークションモデル」ではなく、クリエイター自身が価格を決定する「固定価格モデル」のNFT販売のみに制限しています。しかし、人気アーティストやクリエイターへの参加を促すため、今後は「オークションモデル」も導入予定とのこと。

なお、WazirXマーケットプレイスで利用できるコインはWazirXのネイティブトークンであるWRXコインのみです。2021年12月時点での1WRXの価格は138円。WazirXはNFT販売価格の5%をWazirXマーケットプレイスサービス料として徴収し、残りの95%をクリエイターに配分するとしています。

WazirXマーケットプレイスでは人気アーティストやクリエイター15名ほどの作品が「スポットライトカテゴリー」に表示される他、多くの作品を閲覧できる「ディスカバータブ」の設置をするなど、ユーザーが様々な作品を発見し、NFTの購入に繋げる工夫がされています。作品の再販であっても最大で15%のロイヤリティを得られる仕組みにもなっており、ひとつのNFT作品から永続的に収益を得られるのもアーティストにとっては魅力といえるでしょう。インドだけでなく、世界各地のアーティストからも注目は高まっているようです。

また、WazirXマーケットプレイスは、世界的に最も普及しているEthereumのブロックチェーンではなく、親会社である世界最大級の暗号通貨取引所「Binance(バイナンス)」のブロックチェーン「Binance Smart Chain(バイナンススマートチェーン)」を利用しています。そのため、WazirXマーケットプレイスは高速取引と低い手数料を可能となっているのも特徴です。この方向性はPolygonがColexionへ投資し目指しているのと同様であり、インドにおけるNFTの動向を見る上で参考となるでしょう。

まとめ

NFT規制はまだ続いているものの、インドの最大暗号通貨取引所がNFTマーケットプレイスを始めるなど、活性化の動きもみせるインドNFT市場。今回のPolygonによるColexionへの投資がどのような影響を見せるのかにはますます注目が高まります。

今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。

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