NFTゲームはどんな税金がかかる?国税庁NFT取引のFAQから紐解く課題

NFTゲームはどんな税金がかかる?国税庁NFT取引のFAQから紐解く課題

国税庁は1月13日、NFTの税務上の取り扱いについて、質疑応答形式でとりまとめた文書を公開しました。同文書では、所得税や消費税などについて、NFTを転売・譲渡した場合などにどのように取り扱うべきかを示しています。

この記事では、NFTゲームなどで利益を得るとどのような税金がかかるのかを解説します。

NFTゲームで儲けたら税金がかかるの?

NFTゲーム(ブロックチェーンゲーム)の報酬は、原則として所得税の課税対象になります。ゲームの報酬は雑所得に区分され、雑所得は、ゲームの収入金額から必要経費を差し引くことで算出できます。

ただし、そのゲーム内通貨(トークン)が、ゲーム内でしか使用できない場合(ゲーム内の資産以外の資産と交換できない場合)には、所得税の課税対象にはなりません。

NFTゲームでは、ゲーム内通貨(トークン)の取得や使用が頻繁に行われ、取引を都度評価するのは煩雑と考えられています。そのため、トークンベースで所得金額を計算し、年末に一括で評価する方法(簡便法)で雑所得の金額を計算してもよいルールとなっています。

デジタルアートの転売には要注意

デジタルアートを紐づけたNFTを転売して得た利益も、所得税の課税対象になるので注意が必要です。

NFTの購入後、マーケットプレイスを通じて有償で転売して得た所得は、原則として譲渡所得に区分されます。例外として、NFTの譲渡が営利目的で継続的に行われている場合には、譲渡所得ではなく、雑所得または事業所得に区分されます。

NFTも必要経費を差し引ける

譲渡所得の金額は、以下のように必要経費を差し引いて算出します。

【算式】
譲渡所得の金額=NFTの転売収入ーNFTの取得費ーNFTの譲渡費用ー特別控除額

上記の算式のうち、NFTの転売収入をマーケットプレイス内の通貨として流通するトークンで受け取った場合には、そのトークンの時価が転売収入になります。

譲渡所得の特別控除額は50万円です。譲渡益(譲渡収入から取得費および譲渡費用を差し引いた後の金額)が50万円以下のときは、その金額までしか控除できません。

なお、購入したNFTが、第三者による不正アクセスにより消失した場合の所得税の取り扱いは、次のとおりです。

  • 購入したNFTが生活に通常必要でない資産や事業用資産などに該当せず、かつ、そのNFTの消失が盗難などに該当する場合には、雑損所得の対象になる
  • 購入したNFTが事業用資産などに該当する場合には、その損失について、事業所得または雑所得の金額の計算上、必要経費に算入できる

このように、NFTが消失したときも、状況によっては必要経費として差し引くことができます。

所得税だけでなく消費税も課される

NFTの転売で課される税金は、所得税だけではありません。デジタルアートが紐づけられたNFTを購入した後、マーケットプレイスを通じてそのNFTを転売する場合、消費税が課されることになっています。

NFTを無償で取引する場合は、消費税の課税対象にはなりません。

NFTも押収される?イギリスの事例

イギリスでは、付加価値税詐欺(脱税)の疑いが原因でNFTが応酬される事例も発生しています。付加価値税とは、日本の消費税のようなもので、EUやアジアなどの国で、物やサービスを買ったときに課せられる間接税のことです。

具体的には、NFTおよび5,000ポンド(約78万円)相当の暗号資産が、歳入関税庁に押収されました。今回押収されたNFTに対しては、140万ポンド(約2.2億円)以上の付加価値税詐欺の疑いがかけられていると報じられています。

イギリスでは、自己売買を繰り返すことによる価格のつり上げや、盗作品などを使った詐欺案件も急増しているとのことです。

まとめ

NFTゲームで得た報酬は、原則として所得税の課税対象になります。NFTゲームの所得金額の計算については、年末に一括で評価する方法(簡便法)での計算が認められているなど、特殊なルールがあるため注意が必要です。

NFTの転売には、所得税だけでなく消費税も課されます。

日本ではイギリスのようにNFTが押収される事例はありません。しかし、NFTの利益にかかる税金をしっかりと納めなければ、今後押収される可能性もゼロではありません。NFTにかかる税金についてしっかりと理解しておくことが大切です。

今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。

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