アートや音楽などさまざまな分野で活用されてきたNFTですが、鉄道業界でも活用され始めています。この記事では、鉄道業界においてNFTが具体的にどのように使われているのかを解説します。
NFTを使うことで、これまでの鉄道サービスと比べてどのような違いが生まれるのかもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
鉄道にもNFTの波がやってきた
株式会社ピー・アール・オー(PRO)と九州旅客鉄道株式会社(JR九州)は2023年5月、NFTを活用した鉄道業界初のプロジェクトを開始することを発表しました。
同プロジェクトは2023年7月の開始を予定しています。
記念品や証明書との高い親和性
同プロジェクトでは、 NFTを売買のためのコンテンツとして使うだけでなく、駅・列車・バスなどの交通関連に加え商業・宿泊施設などの利用に対してもNFTを配布。
「訪れる・乗る・利用する」ことに対しての「記念」や「証明」となるNFTを配布することで、顧客に新しい価値や九州の楽しみ方を提案していくとのことです。
デジタルデータの価値は?
同プロジェクトでは、顧客にNFTを保有してもらうだけでは終わりません。保有しているNFTの種類や数に応じて、新たなNFTのプレゼントやサービスが受けられるなど、暮らしに嬉しい特典も用意する予定です。
デジタルデータと連動した特典を用意することで、これまでにはなかった鉄道サービスを提供できるでしょう。
電車の3Dモデリングデータ配布も
東京メトロやJR東海などは鉄道会社は、NFTを活用して電車の3Dモデリングデータの配布も行っています。
東京メトロは2023年1月末、実際の車両の写真をもとに再現した「3Dモデリングデータ」のNFTを発売。車両は、2022年に営業運転を終了した有楽町線・副都心線7000系で、屋根や底面までも緻密に再現しました。
JR東海は2023年3月3日から31日までの期間限定で、岐阜県の高山駅と下呂駅において、特急「ひだ」のオリジナルヘッドマークのNFTを無料配布しました。旅行需要の開拓が目的とのことです。
鉄道関連NFTの事例をご紹介
上で紹介した取り組みのほかにも、鉄道会社や鉄道業界以外の企業も鉄道関連NFTの取り組みを実施しています。ここでは、その事例を3つ見ていきましょう。
JR西日本が鉄道開業150年を記念したNFTを発売
JR西日本グループは2022年10月14日(鉄道の日)から、鉄道開業150年を記念し、鉄道NFT「JR西日本 懐鉄NFTコレクション」を期間・数量限定で発売しました。発売は、LINEのNFT総合マーケットプレイス「LINE NFT」において行われました。
発売初日に登場した寝台特急「トワイライトエクスプレス」のNFTは、3Dフィギュアタイプが発売開始からわずか2分、全3種類が8分足らずで完売。
また、10月8日に限定500個で先行発売した「500系新幹線NFT」も、発売開始から5日間で完売しました。
京王電鉄初の鉄道NFTを発売
京王電鉄株式会社は2023年2月、京王電鉄初の「鉄道NFT」を期間限定で発売しました。
今回発売されたのは、京王ライナー乗車記念トレーディングカードをGIF動画化した「トレーディングカードNFT」8種類と、「7000系車両の種別幕・方向幕動画NFT」4種類の計12種類。
「トレーディングカードNFT」8種類をすべて買った人は、コンプリート特典として、普段は一般公開していない「京王資料館」に招待されました。
「Rakuten NFT」で鉄道の報道写真を使用したNFTを発売
楽天グループ株式会社が運営するNFTマーケットプレイスおよび販売プラットフォーム「Rakuten NFT」は2023年2月27日より、朝日新聞社が提供する鉄道の報道写真を使用したNFT「鉄道開業150年シリーズ」を発売しました。
「鉄道開業150年シリーズ」では、1872年から1988年までの各時代に起きた鉄道史における歴史的場面のNFTを第1弾から第4弾まで販売。
販売されるNFTパックには、鉄道の報道写真と、それぞれの鉄道史を記した解説カードの計2点が含まれています。
まとめ
鉄道NFTは鉄道ファンだけでなく、NFTや暗号資産に興味がある人などから購入される可能性もあります。NFTを鉄道業界で活用することで、これまで鉄道にあまり関心のなかった層にもアプローチでき、業界の発展に貢献するかもしれません。
今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。