NFT市場に世界的ハイブランド、グッチが参入!真正性を担保し、デジタルとリアルを結ぶNFTで飛躍できる次のビジネスステージとは?

NFT市場に世界的ハイブランド、グッチが参入!真正性を担保し、デジタルとリアルを結ぶNFTで飛躍できる次のビジネスステージとは?

世界的ハイブランドのグッチがNFTに参入しました。NFTで飛躍できる次のビジネスステージとは、真正性を担保するだけでなく、デジタルとリアルの資産を紐づけ、ブロックチェーン上でトレーサビリティ(製品の来歴)を追跡できるという強みを活かすことです。2つのサービス事例から解説します。

世界的ハイブランド、グッチもNFT参入!

ゲームやアート界にとどまらず、NFTはファッション界にも影響を与えています。世界的ハイブランドのグッチがNFTに参入したのです。

新進気鋭のNFTブランド『RTFKT(アーティファクト)』のNFTスニーカーコレクションが310万ドルで落札されて話題となったとき、グッチもまたアバター向けのデジタルスニーカー「GUCCI Virtual25」を発売していました()。とはいえ当時はNFT未参入でした。

そして同ブランド初となるNFTは、映像作品「PROOF OF SOVEREIGNTY: A Curated NFT Sale by Lady PheOnix」で、クリスティーズに出品。

グッチの最新コレクション「グッチ アリア」にインスパイヤされ、グッチのクリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレと、フォトグラファー兼ディレクターのフローリア・シジスモンディが共同監督した作品です。

入札開始価格は2万ドルですが、収益はユニセフUSAに寄付され、途上国への新型コロナウイルスワクチン分配に充てられる予定です(

アーティストとの親和性が高いNFT

グッチも参入したNFT(非代替トークン)とは、ブロックチェーン技術を使って発行される、偽造不可能なデジタル所有証明書です。

真正性を担保し所有権を発行できるNFTと、希少性が肝となるアート作品の作り手であるアーティストとの親和性は高いです。実際、簡単にコピーができて価値がないとされていたデジタルアートもNFT化されることで、数億円で売買されるようにもなりました。

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アーティスト側のビジネスメリットとして、NFTにはトークン化する際に著作権使用料を組み込める点も挙げられます。つまり、NFTが売買されるたびに、オリジナル制作者のアーティストやクリエイターにマージンが支払われる仕組みをつくることができます。

また、トークンを発行することで、NFTの発行者と所有者の間に新たなコミュニケーションを生むこともできます。

例えば、音楽アルバムや特別なイベントにNFTを発行すれば、NFT所有者であるファンに対して、コンサートの割引やプレミア動画などの特別な権利を提供し、より直接的で経済的な関係を築くこともできます。

つまりNFTは、デジタル上の権利を仮想空間に止めることなく、利用次第で、リアルな世界にその力を及ぼすことができるのです。

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仮想と現実の資産を紐づけるNFTの力

さらに踏み込む形で、リアルな世界に存在して価値を持つ実物資産と、ブロックチェーン上のNFTの情報とを直接紐づけるサービスも誕生しています。「Startbahn Cert.」と「Uniqly」です。

「Startbahn Cert.」: マンガアート作品の来歴を担保する

Startbahn Cert.」は、スタートバーン社のブロックチェーン証明書発行サービスです。サービスの軸になるのは、デジタルだけでなくリアルな物である実物アート作品とブロックチェーン情報を紐付けるシステムです。つまり、ICタグ付きのブロックチェーン証明書「Cert.」を発行することで、リアルな製品をNFTとして流通させることを可能にしました。

このサービスを活用したのが、大手総合出版社の集英社です。具体的には、5〜20枚限定のマンガアートプリント作品にブロックチェーン証明書「Cert.」を発行。作家や版元情報をはじめ、作品の価値を左右する来歴情報をブロックチェーン上で永続的に記録し、NFT化されたマンガアートの価値を次世代にも引き継ぎます。

「Uniqly」: 服作りの過程と真正性にアクセス

また、スタートアップ企業「Uniqly」は、洋服というリアルな物体にQRコードラベルをつけて、ブロックチェーン技術で製品情報を検証できるNFTサービスを提供します。

例えば、あなたが自分の音楽グループのロゴが入ったTシャツを着て、コンサート会場で販売したいとします。Uniqlyのマーケットプレイスで、NFTトークンのQRコードラベルを発行すると、スマホなどでそのコードを読み取った誰もが、あなたをTシャツの作者だと確認できるようになります。

さらにUniqlyがTシャツの出目を確認し、本物かどうか検証することもできます。

Uniqlyでは、消費者がブロックチェーン上の製品情報をさかのぼって確認し、それが正しい出自であることや手元に届くまでの流通経路も確認できるのです()。


NFTの高いトレーサビリティという強み

「Startbahn Cert.」や「Uniqly」というサービスには、ブロックチェーンの特性を活かした、高いトレーサビリティという強みがあります。それは偽造品や偽物の流通防止につながります。また、SDGs(持続可能な開発目標)に基づくビジネスを、という国際的な流れから、企業や消費者が素材の産地、作り手や製造者の情報などを検証し、モラルや価値観にそった商品を選ベることとなり、今後もより高いニーズを持っていく価値でしょう。

トレーサビリティとは?

トレーサビリティとは、商品情報の来歴のことです。その製品・部品が「いつ、どこで、誰によって作られたのか」を明らかにするために、原材料の調達から生産、そして消費または廃棄までの一連の流れの中の製品情報を追跡可能な状態にすることです。

近年では製品の品質向上に加え、安全意識の高まりから重要度が増しており、自動車や電子部品をはじめ、食品や医薬品など幅広い分野に浸透しています。

ブロックチェーンの特性をトレーサビリティに活用した事例として、米国スーパーマーケットチェーンのWalmartがあげられます。Walmartは、2018年9月、大腸菌の健康被害を防ぐためにレタスを供給する業者に、生産段階から店舗に届くまでのあらゆる情報をブロックチェーン上に記録するように求めました()。

また、ユニクロの綿シャツが、中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区の強制労働をめぐる輸入禁止措置に違反したと、2021年1月にアメリカで輸入を差し止められたことも記憶に新しいです。

同社は約半年間を経て、生産を委託している中国の工場で自治区に立地する施設はなく、綿も生産過程で労働環境が適正に守られたものだけを使っていると発表しました()。

ブロックチェーンの特性をフル活用

NFTを発行するためのブロックチェーンには「情報の真正性が保証される」という特性があります。ブロックチェーンに記録された情報は一度書き込んだら簡単に書き換えることは出来ません。また、過去の情報は改ざんされず、すべて残っています。

その透明性や秘匿化技術を持つ特性を活かし、ブロックチェーン上で情報を一元管理することで、数日かかっていた情報の追跡スピードも数分から数秒の単位として格段に上がることも証明されています()。

先のユニクロの事例で、釈明までに時間がかかったのは、調査や検証に必要だったからですが、半年間とはアパレル業界では約2シーズンをロスしたことになります。また、国際的な人権問題にも関わるとあり、企業のブランド力を左右する信頼問題にも関わりました。このような大きな損害もブロックチェーン上で情報を一元管理することで、未然に防げる可能性があります。


まとめ

ハイブランドも参入したNFTには、仮想と現実の資産を紐づけ、デジタルはもちろん、現実世界のリアルな物品のトレーサビリティ(製品の来歴)を検証するうえでも高い力を発揮します。

ブロックチェーン技術で情報の一元管理が行われ、真正性が担保されることで、偽造品の流通防止や在庫管理もより正確になります。さらに製品の来歴が共有されることで、消費者たちはより自分の価値観にあう商品を選びやすくなるでしょう。ブロックチェーンが持つトレーサビリティという強みは、NFTを活用したビジネスの第二局面としてさらなる広がりを持つはずです。

今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。

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