NFTはビジネスへの転換期を迎えたのか。メタバースやマーケティングへの活用も始まる

NFTはビジネスへの転換期を迎えたのか。メタバースやマーケティングへの活用も始まる

暗号資産(仮想通貨)への投資ブームが落ち着くと同時に、NFTの流通価格も下落し始めています。そんななか、市場の落ち着きをビジネスチャンスと捉え、顧客獲得などを目的としてNFTをビジネスで活用する動きが強まっています。

この記事では、NFTがビジネスシーンでどのように活用されているのかを解説します。

NFTビジネスが加速中!

NFTの歴史はまだ浅く、法律面をはじめとする課題が多くあります。そうした課題を解決し、NFTビジネスを起動に乗せるため、政府や業界団体が本格的に取り組みを開始しました。

自由民主党デジタル社会推進本部のNFT政策検討プロジェクトチームは2022年3月、「NFTホワイトペーパー(案)」を取りまとめました。これは、主に中長期的なNFTビジネスの推進を目的とするものです。

金融業界各社が参加する一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は2022年3月、「NFTビジネスに関するガイドライン」の第2版を公表しました。これは、NFTビジネスで直面する課題の解決を目的としています。

NFTのイラスト以外の使い方とは

これまでNFT業界では、投機目的としてイラストが売買されることが多くありました。しかし、そのほかにも以下のような使い方が存在します。

デジタルチケット

1つ目に挙げられるのがデジタルチケットで、コンサートやイベントのチケットなどが当てはまります。

デジタルチケットを持っていることで、保有者限定のコンテンツにアクセスできるなど、実体験と組み合わせたチケットも存在します。

メタバース

2つ目に挙げられるのがメタバースです。

メタバース上で譲渡証書代わりにNFTを使うことで、土地の売買が可能になります。また、アバターやコスチューム、ゲーム内アイテムなどの売買もNFTにより可能になります。

企業コレクション

3つ目に挙げられるのが企業コレクションです。企業は、実世界に存在するモノをNFT化してコレクションとして販売しています。

たとえば、イギリスの高級スポーツカーメーカーのマクラーレンは、2021年10月よりレースカーなどの3D画像のNFTを販売してきました。2022年7月初旬に開催されたF1シリーズ英国グランプリでは、レース会場と連動した企画を展開。ドライバーが装着するヘルメット、スーツ、ブーツの3D画像を販売しました。

ビジネスにおけるNFT活用例

ここでは、ビジネスにおいてNFTが活用された3つの事例を紹介します。

パ・リーグ Exciting Moments β

株式会社メルカリは、パ・リーグ6球団が共同出資したパシフィックリーグマーケティング株式会社と共同で、NFTマーケットプレイス「パ・リーグ Exciting Moments β」を立ち上げました。

同マーケットプレイスは、パ・リーグ6球団の記憶に残るプレーを捉えた動画コンテンツを、自分だけのコレクションとして保有できるサービスです。

出典:メルカリ

第1弾の「Series 1 – ’21 Season Best Players」では、2021シーズンで活躍した選手を中心に合計18プレーを収録。通常の試合の公式映像は、ダウンロードなどが禁止されていますが、同マーケットプレイスで購入したコンテンツはダウンロードして保有したり、サービス内機能を活用時のみSNSなどでシェアしたりできます。

出典:メルカリ

同マーケットプレイスでは、クレジットカード決済が可能です。ユーザーがメルカリのようなフリマアプリを利用する感覚でNFTを購入できる点が、同マーケットプレイスの魅力といえるでしょう。

Forbesが広告非表示の会員権をNFTで販売

世界的な経済誌のForbesは、「オンライン記事を読むときに広告を表示させない」という機能を付与した会員権をNFTとして販売しています。このNFTはイーサリアムで購入でき、他人への転売もできます。

広告非表示の会員権をNFTとして管理することで二次流通が可能になり、不要になった段階で転売できるため、購入のハードルが下がるとされています。

Audio Token Distributor

SUSHI TOP MARKETING(スシトップマーケティング)は、音でNFTを配布する「Audio Token Distributor」(オーディオトークンディストリビューター)を開発しました。

現時点でNFTを手に入れるためには、仮想通貨やウォレットが必要となるケースがほとんどで、購入ハードルが高いと感じる人もいます。しかし同サービスでは、音響透かしという特別な技術を使って、音声を通じてNFTを簡単に送ることができます。

同サービスではアプリやウォレットを用意する必要はなく、同社独自のブラウザウォレットという技術を活用することで、ブラウザのみでNFTが受け取れます。これにより、ユーチューバーやポッドキャスターをはじめとするクリエイターが、自分のコンテンツを通じてNFTを簡単に配布できるようになることが期待されています。

また、同社は同サービスを通じて、トークングラフマーケティングの文化を世の中に浸透させていきたいとしています。トークングラフマーケティングとは、対象となる人物がどんなNFTを持っているのかを見て、その人のペルソナ(人物像)を判断し、その人に合ったNFTを送るマーケティング手法です。

まとめ

NFTはイラスト以外にも、デジタルチケットやメタバース、企業コレクションなどで使われています。最近では、NFTを活用したマーケティング手法が採用されるなど、ビジネスにおいてNFTが本格的に使われ始めています。仮想通貨への投資ブームが落ち着きを見せるなか、「投機」から「ビジネス」に移行する動きはさらに加速していくでしょう。

今後もこちらでは、NFT関連の役立つ情報をお届けしていきます。NFTや暗号資産など、ブロックチェーン技術にご興味のある方は当社に是非ご連絡ください。

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